目次
数値が偏るとドライバーは飛ばない
飛ばすポイントを明確にする
ドライバースイングを固めていく上で大切になるのは「改善ポイントの明確化」です。
スライスが出るのか、またはフックボールなのか。
球は高いのか、低いのかなど、持ち球は人それぞれ違います。
長所はそのままに、悪い点だけを改善する。
これがゴルフ上達の秘訣です。
ゴルファーに共通する普遍的な願望は「飛距離」ですが、この飛距離アップを目指すのであれば、飛距離に直結する改善ポイントを解明する必要があります。
「飛ぶ」ための要素
ただ単に力任せにドライバーを振り回せば飛距離が出るわけではありません。
マン振りが案外飛ばないのは、多くのゴルファーが実感しているはずです。
飛ばすには、根拠ある効率的なスイングが欠かせません。
それにはまず、科学的の目を使って、必要な数値の計測からはじめるべきです。
ボールを遠くに飛ばすには、3つの数値を理想に近づける必要があります。
3つの数値とは「ボール初速」「バックスピン量」「打ち出し角」です。
この3要素はバランスが重要で、ひとつでも偏った数値になると飛距離にはつながらず、一気に飛ばなくなってしまいます。
ボール初速があり、打ち出し角も高いのに、バックスピン量が適切でなければ、飛距離は出なくなります。
いわゆる「ホップ」や「ドロップ」するような球は、バックスピン量が適性ではないために出る球筋です。
これで飛距離をロスしてしまうのです。
つまり、3要素のすべてが許容範囲内に収まる「バランス」が重視されるのです。
ボール初速
「ボール初速」は飛ばしの基本となる数値で、簡単に言えば、打ち出したときのボール速度です。
これが速いほど、ボールの持つエネルギーは大きくなり遠くへ飛ぼうとします。
但し、このボール初速を飛距離に生かせるかどうかは、もう2つの数値である「バックスピン量」と「打ち出し角」が密接に関係してきます。
バックスピン量
「バックスピン量」は、インパクトでボールとフェースの摩擦により、ボールが逆回転する量です。
ボールに揚力を与える役目を持っており、多すぎるとボールは前ではなく、上に飛んでしまい飛距離を大きくロスしてしまいます。
いわゆる「吹け上がる」状態です。
逆に少なすぎればボールが上がらず、キャリーが不足して早く地面に落ちてしまい、こちらも飛距離を大きくロスします。
適正なバックスピン量は、ボール初速によって変化し、初速が速ければスピン量は少なめ、初速が遅ければ、ある程度のスピン量が必要になります。
プロのようにヘッドスピードが早く、ボール初速が速い人は、バックスピン量を減らしたいと考えます。
一方、ヘッドスピードが遅いアマチュアゴルファーやレディースゴルファーは、バックスピン量を増やせるドライバーを選んだほうが飛ぶのです。
打ち出し角
「打ち出し角」はインパクトでボールがどれくらいの角度で飛んでいくかを表した数値です。
ボール初速が速ければ打ち出し角は低く、ボール初速が遅い場合は、打ち出し角はある程度高さが必要になります。
プロやトップアマは、低く打ち出し、そのままの勢いでズドーーーンと飛ばすイメージ。
逆にヘッドスピードが遅いゴルファーは、球の高さを出し、その勢いで飛距離を出すのです。
この3つの数値の関係が、飛距離を左右するのです。
数値の計測
「ボール初速」「バックスピン量」「打ち出し角」を計測するにはどうすればいいのでしょうか。
クラブに装着するスイングテータ分析器が市販されるようになったので、これらを使えば数値を把握できます。
3軸センサーによってクラブへッドやフエース向きの詳細な動きをテータ化してくれる装置で、しかも、分析結果やそれに応じたスイングアドバイスをスマートフォンなどで、その場で確認できる仕組みまで準備されているので、とても便利です。
こうした装置は、一般ゴルファーのスイング作りのあり方をガラリと変えてしまう可能性を秘めていると言えるでしょう。
1990年頃、ビデオの活用がスイングづくりのあり方を変えましたが、ビデオではカラダやクラブの動きが、大まかな流れとしては把握できたものの、細かな要素については「見る目」が必要でした。
しかし、このスイングデータ分析器は、スイングを詳らかにしてくれます。
フェースが開いてインパクトしたのか。
どの方向から、どんな角度でインパクトしているのか。
どこで加速し、ボールに当たる瞬間にはどのくらいの速度になっているのか。
もちろん、それがわかったからといって、自身だけでスイング改造に取り組めるわけではないでしょう。
しかし、課題が具体化し、納得できれば、前向きにスイング矯正に取り組めるはずです。






トラックマン
プロ御用達の弾道測定器「トラックマン」が普及してきました。
世界一正確な「レーダー弾道測定器」「ゴルフシミュレーター」です。
アメリカのツアープロは保有が常識になっており、国内でも男女を問わず、トラックマンで数値を計測しているプロは多いようです。
しかし、価格は300万円以上するので、アマチュアが買うにはハードルが高すぎます。
これはプロ専用のマシンと考えてください。


ゴルフショップ
少し大きめのゴルフショップに行けば、簡易的な計測器を置いているところもあります。
ただ、ショップにある試打クラブで、シューズは普段履いているスニーカーだったりするかもしれません。
グローブがなく、素手でスイングしていれば、本気で振れません。
普段と同じ環境で計測していなければ、あまり参考にならないかもしれません。
スイング計測器を購入する
最近は持ち運べる計測器や弾道測定器が高性能化してきています。
スマホで使える計測器も散見されるようになりました。
比較的高額の計測器であれば、かなり正確な数値が取れるようになっているので、自分のスイングを数値化し、それを定点観測していけば、スイングや体調の変化が可視化できるかもしれません。
以下が、おすすめの計測器です。
弾道測定器





スイング計測器




アマチュアゴルファーの数値
アマチュアに理想値は出せない
アマチュアゴルファーは、飛ばしに必要な3要素で理想値に近いデータを出せる人はほとんどいないと言われています。
ただ、理想の数値が出せる人は、ツアープロでも多くはないので、それをアマチュアゴルファーに求めるのは酷かもしれません。
3要素の意味も理解できていない
同時に、これら数値のバランスと共に、なぜ自分が飛ばないのかを理解している人はほとんどいないと思われます。
それは、飛ばしに必要な知識を持っていないからに他なりません。
ほとんどの方は「自分の打ち方が悪い」で片づけてしまい、本当の飛ばない理由を追求しません。
正しいクラブを選ぶ
確かにスイングに問題がある場合もありますが、それ以前に自分に合っていないドライバーを使っているとすれば、その方が問題です。
自分に合わないドライバーを使って、スライスが出てしまえば、それを修正しようと、間違ったスイングに変えてしまうリスクがあります。
ドライバーの問題をスイングで改善しようとしてしまうのです。
本来、ドライバーは飛距離を出してくれる道具に過ぎません。
あくまで主役は自分のスイング。
ドライバーは脇役なのです。
このような間違った意識で、いくら練習を積んでも飛距離は改善はされないのです。
ゴルフメーカーが広告の中で言う「低スピンは飛ぶ」とのキャッチコピーに当てはまるのは、ある程度打ち出し角を高くできるゴルファーで、ボール初速があまり速くないゴルファーには逆効果になってしまう可能性があるのです。
自分に真に必要となる要素はなにか。
これを理解した上で、自分のスイングにフィットするドライバーを選んでください。