ヘッドスピード40前後のドライバー選び
年々、飛距離が落ちてくる
昔は重いドライバーを振り回してガンガン飛ばしていたのに、最近は軽いドライバーに変えても飛距離が……といったゴルファーの声はよく耳にします。
若い頃はヘッドスピードが45もあったのに、今では40前後・・・とヘッドスピードの低下を嘆くシニアも多いのではないでしょうか。
とりわけホームコースをお持ちの方は、「昔、飛ばしていた頃はこのバンカーをキャリーで越えていたのに、今じゃその手前か……」なんて切ない思いをすることがあるかもしれません。
ゴルフは一生楽しめるスポーツですから、身体の衰えが飛距離という物差しで見えてしまうのも致し方ないところです。
ヘッドスピード40未満でも最新ドライバーで飛距離を補完
でも、落ち込む必要はありません!
最新のドライバーを使えば、飛距離低下も最低限にできます。
もちろん、全盛期の飛距離維持は難しいかもしれませんが、無理してオーバースペックのドライバーを使い、過去の自分と勝負して大幅な飛距離低下を嘆くよりも、今の自分のスイングに合ったドライバーで同年代のゴルファーより飛ばして優越感に浸ったほうが、何倍もゴルフを楽しめます。
飛距離低下に悩むゴルファーは、ゴルフ歴が長く、スイングの基礎ができているため、ある程度のミー卜する技術を持っている方がほとんどです。
シニアアスリートと呼ばれるジャンルの方々ですね。
このシニアアスリートが大きなミスをするときは、多くの場合、飛距離を出そうするとき。
言い換えれば「力んでいるとき」です。
プロだって力が入ればボールを曲げるのですから、アマチュアゴルファーが「ここは一発飛ばす」とか「同伴競技者をオーバードライブしてやる」と邪念が入れば力んで、自分のスイングができなくなるのは仕方ありません。
さらに以前の飛距離を追い求めている人ほど、昔のままのハードスペックのドライバーを使っているケースが多いので、余計に力が入り、スイングを乱すのです。
ミートする技術は持っているのですから、安定した飛距離が出せるドライバーを手に入れれば、無理な力も入らず、普段通りのスイングでミスも減ります。
そのためにも、自分に合ったドライバーが必要なのです。
ヘッドスピード40m/s未満は高反発ドライバーを使う
一般のドライバーより、確実に飛ぶドライバーがあります。
それが高反発ゴルフドライバーです。
高反発ドライバーとはR&Aが定めたルール以上の反発係数をもったドライバーなので、絶対に飛距離は伸びますが、厳密に言えば「違法」です。
クラチャンなどを含む、公式な試合では使えません。
しかし、プライベートなラウンドではまったく問題ないので、現実に製造・販売されているのです。
高反発ドライバーは間違いなく飛ぶ
高反発ドライバーは反発係数が高いので、一般のドライバーより確実にボール初速がアップします。
飛距離に不可欠な要素は「ボール初速」です。ボール初速さえ獲得できれば、絶対に飛距離は伸びるのです。
そのため、高反発ドライバーは一般のドライバーに比べ、約20%は飛距離が伸びるといわれています。
ヘッドスピード40前後の方であれば、15~20ヤードは飛距離アップできるのではないでしょうか。
高反発ドライバーの種類
高反発ドライバーの種類は決して多くありません。
現状では、カタナゴルフ、マルマン(マジェスティ)、プロギアなど、数種類のみが販売されています。
しかも、10万円以上するので、簡単には手が出ないかもしれません。
それでも規制を上回る反発係数なので、飛距離は確実に伸びます。
いわば「飛距離をお金で買う」といったイメージです。
ゴルフ雑誌の調査によれば、人気ドライバーの中でも最も飛んだクラブは、プロギア「スーパーegg」、ENA「飛王ESプレミア」などの高反発ドライバーでした。
一般的なドライバーよりも約20ヤード飛んでいたそうです。
「スーパーegg」「飛王ESプレミア」以外の高反発ドライバーでも、すべて10~15ヤード飛距離がアップしているので、反発係数の大きさは飛距離に直結すると証明されています。
一番飛ぶのは「HAYABUSA」
飛ぶと評判の高反発ドライバーの中でも一番人気なのは「HAYABUSA」ではないでしょうか。
このHAYABUSA、とにかく飛びます。
私も打ってみましたが、驚く飛距離が出ました。
ヘッドスピード40m/s未満のおすすめのドライバー9本
ダンロップ XXIO12 翼のゼクシオ
ご存知、40歳以上のゴルファーに圧倒的な支持を得ているドライバーです。
とにかく優しいので、多少のミスヒットなら飛距離がロスしません。
キャロウェイ PARADYM
女子プロ使用率NO1と言われているドライバーで、異常に飛ぶと評判です。
ダンロップ ゼクシオプライム
ゼクシオよりも更に優しいのがゼクシオプライムです。
軽くて振りやすいので、ストレスなくフィニッシュできます。
グローブライド ONOFF赤
テーラーメイド SIM GLOIRE(シムグローレ)
テーラーメイド STEALTH2
ブリヂストン PHYZ
プロギア EGG
ヘッドスピード40未満のシャフト選び
安定的に飛距離を出す上で大切になるのはシャフトです。
どんなゴルファーもタイミングよく振れて、ミート率を高めるためにはシャフトの選択が重要になりますが、ベテランゴルファーが元々持っているミート率を生かすには、特にシャフトとのマッチングがとても大切になります。
キックポイントはもちろんですが、タイミングよく、力まずにスイングするには、硬さと重さのバランスが重要になります。
重さを見極める
昔は重いシャフトも難なく振れたイメージが残っていて、シャフトを軽量化するのは勇気がいると思いますが、自分の体力よりハードなスぺックを使っていては、同じタイミングでのスイングが難しくなります。
とはいえ、いきなり軽くし過ぎても、ヘッドの安定性が失われミート率が下がってしまう可能性もありますし、重いドライバーの方が、安定して振れる人もいます。
絶対軽くした方がよいと言っているわけではありません。
1日を通してヘッドスピードを保てる重さを見極めて、疲れても最後までスムーズに振れるシャフトの選択が大切なのです。
ヘッドスピード40未満はシャフトのフレックスに注意
シャフト選びの際、大切になるのは重量だけではありません。
硬さや捻じれに関係してくる「フレックス」も欠かせないポイントです。
一般的にフレックスは、LL、L、A、R、SR、S、SX、X、XXの順で硬くなりますが、ゴルフショップで売られているドライバーは、R~Xだと思います。
フレックスが硬くなるにつれシャフト単体が重くなると考えて間違いないでしょう。
これは見た目で判断できない部分で、シャフトの内側に厚みあるほうが重く硬くなるので、そのシャフトの特性をよく理解することが肝要になります。
硬さ(フレックス)も重要
シャフトは柔らかい方がしなる量が増えるので、ヘッドを加速させやすくなります。
しかし、柔らかすぎるとヘッドがブレやすくなり、タイミングが外れた時のミスが大きくなってしまうので、ここの見極めが重要になります。
ミート率の高い経験豊富なゴルファーには、ちょっと柔らかめと思うぐらいのフレックスが適していると思います。
柔らかめのフレックスであれば、シャフトのしなりを感じやすくタイミングが取りやすくなり、シャフトのしなりで飛距離を稼げます。
柔らかいシャフトでミスが大きくなるのは、力んでヘッドの軌道がブレた時ですが、経験豊富なゴルファーなら、そういったミスも少ないので、安定して飛ばせるでしょう。
ただ、同じフレックス表記でもメーカーによって実際の硬さは若干違うので、必ず試打をして、しなり具合をチェックしてから購人しましょう。
シャフトの重さと硬さを見直すだけで、ドライバーはかなり優しくなります。それは純粋な飛距離だけではなく、メンタルにも効果があります。
力みや無理矢理な強振を減らせるので、それだけでもプレッシャーが減るのです。
「今でも頑張って振ればいい当たりが出るけど、ちょっとしんどくなってきた」という場合は、重さ、硬さどちらかをワンランク軽くするか、柔らかくすると、今までのフィーリングを残しつつ、優しさをプラスできます。
ヘッドスピード40m/s未満は長尺ドライバーも選択肢に
さらに、ドライバーを長尺にして、ヘッドスピードを高める方法もあります。
確かに単純にドライバーを長くすれば、短いドライバーに比べてヘッドスピードは上がるので、その分のパワーをそのままボ―ルに伝えられれば、当然、飛距離は伸びます。
しかし、実際はそう簡単にいきません。
ドライバーが長くなっただけ、ミート率が落ちるからです。
長尺ドライバーでもミート率が落ちず、距離を伸ばせるタイプのゴルファーは、トップからの切り返しで、あまりタメを作らないスイングテンポが早めのゴルファーです。
タメが強いと長尺になった分だけヘッドの戻りが遅くなるので、インパクトでヘッドが間に合わなくなってしまうのです。
切り返しからタメをあまり作らず、ゆっくりした均一のテンポでインパクトするタイプのコルファーは長尺ドライバーでも自分のタイミングで振れ、長尺になったことで早くなったヘッドスピードを効率良くボールに伝えやすくなるのです。
まずは自分が長尺の効果を生かせるタイプのスイングであるかどうかを見極めましょう。
自分のタイミングで振ってちゃんとミートできるか。
しっかりミートできた時に飛距離が伸びているかなどを確認して、結果が出ているのであれば長尺ドライバー選択の芽が出てきます。
誰もがドライバーを長くすると飛距離が伸びるわけではありません。
打ち出し角の高いドライバーの買い替え
ドライバーを買い替えたいなら、ヘッドから見直してもいいでしょう。
ヘッドスピードとパワーで打っていた頃と比べ、極端な改造をしていない限り、スイング自体は大幅に変わっていないはずなので、楽に飛距離を稼ぐためには、打ち出し角を適正にできるヘッドを選ぶべきです。
これはボールに適正な高さを与えてやり、効率良く飛距離を稼ごうとする考え方です。
パワーのあった頃は、ライナー性の弾道でも飛距離を稼げますが、パワーに頼らず飛距離を稼ぐには、適正な打ち出し角が必要になります。
今までどんな弾道で飛ばしていたかによって適正な重心位置が変わるので、浅重心と深重心のドライバーを同じロフトで試打し、計測して判断するのが一番です。
打ち出し角が15度前後になる方が楽に飛ばせるヘッドです。
今までのスイングを変えず、適正な打ち出し角を稼けるヘッドは、効率良い弾道を打ちやすくなります。
飛距離獲得には自分のスイングに合ったドライバーを選ぶ
自分のスイングの傾向把握は、効率良い弾道を得るために不可欠です。
それはスイング以外の体力や身体のコンディシヨンにも当てはまります。
スイングの傾向や体力、コンディションはパワーを生み出す原動力です。
その原動力に合ったドライバーを使い、初めて今のポテンシャルを最大限に生かせるのです。
そして自分にあったドライバーを使うことで気持ちに余裕が生まれ、メンタルが原因のミスも軽減できます。
もちろん、中古ドライバーも選択肢になるでしょう。
上級者やプロが大きなプレッシャーの中でも良いゴルフができるのは安心して振れるドライバーがあればこそなのです。