目次
ドライバーの打ち方
ドライバーの重要性
18ホールからなるコースでは、4つのショートホールがあります。
このショートホールは、殆どの場合、アイアン(ユーティリティ)を使いますが、それ以外の14ホールは多くの場合、ドライバーを握ることになります。
ゴルフのスコアメイクでは「パットが大事」と言いますが、アマチュアの場合、実はドライバーが一番重要なクラブになるのです。
ドライバーは全14本のクラブの中では最も長く、軽いクラブです。
それだけに飛ばすことができるクラブですが、操作を間違えれば、曲げてしまう危険なクラブでもあるのです。
もし、ドライバーでOBを打ってしまえば、+2打は確実ですし、林の中に打ち込んでしまえば、脱出するだけで数打を要してしまうかもしれません。
深いラフに入れてしまえば、出すだけということもあります。
このように、アマチュアゴルファーがスコアメイクする上で一番重要になるのがドライバーなのです。
ドライバーショットがフェアウェイに行けば、ゴルフが本当に楽になり、スコアは劇的によくなります。
100切りや夢の80台を出すためには、なによりドライバーの安定が不可欠なのです。
ドライバーのボールの位置
ドライバーで構える際に適切なボールの位置は「左つま先の延長線上」若しくは「左脇の下」と言われています。
ドライバーは最も長いクラブです。
また、パター以外では、最もロフトが少ないクラブなので、球が上がりにくくなっています。
この性質を考えれば、他のクラブより、左側に球を置くのが正解になります。
つまり、スイングの最下点にボールをセットするのではなく、クラブヘッドがやや上昇していくところでインパクトを迎えるようにボールをセットするのです。
そうすれば、少ないロフトを補えるスイングができるというわけです。
但し、アゲンストが強いときなどは、ボール1つ分、右側に置いてもいいかもしれません。
フェースをボールと直角にセット
ゴルフで大切なのは「スクエア(直角)」です。
ドライバーショットも狙う方向を定めたら、そこに向かってスクエアにセットすることが重要になります。
まず、ティグラウンドに立ったら狙う点を決めます。
「だいたいあのあたり」という曖昧な目標ではなく、「あそこ」という明確な点に打っていく覚悟が必要でしょう。
打つ方向が決まったら、ボールとその方向のライン上に目印を探します。
これを「スパット」と呼びますが、普通は、少し先にある芝生が剥げた部分などを利用します。
そして、そのスパットに対して、フェースがスクエアになるようにセットアップします。
そして、視線、肩のライン、腰のライン、両膝のライン、スタンスもすべてスクエアにセットしていきます。
これをルーティーンにすると、大事な場面でも緊張せず、平常心でドライバーが打てるようになります。



ドライバーが上がらないのは打ち方のせい?
アマチュアゴルファーの中には、「ドライバーの弾道が低い」という課題を持った方がいます。
前述の通り、ドライバーはすべてのクラブ(パター除く)の中で、一番ロフトが小さいので、そもそも上がりにくいクラブであることは事実ですが、今のドライバーは、軽く振っても上がる設計になっているので、心配いりません。
もし、弾道が低いのであれば、おそらく球を上げたいという気持ちから、力んでしまっていると思われますので、スイングを微調整しましょう。
以前のパーシモンのドライバーであれば、パワーがなければ高い球を打つことはできませんでしたが、最新のドライバーならオートマチックに振るだけです。
あとはドライバーの性能で一定の高さがでるようになっています。
但し、力んでしまえば、せっかくのドライバーの性能を帳消しにしてしまうので、とにかく力を抜くこと。
グリップを強く握らず、いつもの50%くらいの力で構えてみてください。
大切なのは、トップからの繰り返しのタイミングで、グリップに力を入れないことです。
フィニッシュまで同じグリッププレッシャーを維持してください。
手のひらの中に「ひよこ」がいると想像してみましょう。これを潰さないイメージでスイングができれば、自ずと球は上がるはずです。
そして、感覚的にはドライバーで100ヤードのアプローチを打つつもりで振ってみてください。
無駄な力が抜け、ミートできれば、自然と球は上がり、200ヤードは飛ぶはずです。
ドライバーの変遷
ここ20年余りのドライバーの歴史は、これまでにない大きな進化を遂げたと言っても過言ではないはずです。
ゴルフ創生期から続いたパーシモンから、メタルヘッドへの劇的に変化したのです。
メタルヘッド初期の頃はまだ280cc~300ccの容量でしたが、それでもパーシモンに比べるとあまりに大きなヘッドで、打ち易さを実感したものです。
さらに、チタンヘッドを経て、現在のデカヘッド(460cc)になりました。
最近のドライバーの素材は多様化しており、まさに日進月歩という感じすらします。
また、弾道の調整もできるようになり、まさにドライバー1本で、何通りもの軌道を打ち分けられるようにまで進化しているのです。
このような劇的な進化を加味した上で、ある程度の飛距離を求めるのであれば、ここ5年以内に発売された460cc程度の大きめのヘッドのドライバーが飛ばしに必須の条件になるでしょう。
トッププロの中には、大型ヘッドに抵抗感を持つ人もいるようですが、やっぱり、大きなヘッドのドライバーの方が飛ぶことは確実です。
アマチュアゴルファーも最新の大型ヘッドのドライバーにすることで、飛距離のアドバンテージを得ることができるのです。



最新ドライバーに適したスイング
実は、アマチュアの中でも、大型ヘッドの操作性のなさが嫌いという方がいます。
特にパーシモンで育ったベテランゴルファーは、小型のヘッドで球を自在に操りたいという要望を持っているようです。
また、大型ヘッドのドライバーに変えると、今までのスイングを変えなければいけないので、その点に懸念を持つ方も多いようです。
「スイングを変える」というと、すごく大変なことに感じるかもしれません。
しかし、考えすぎることはありません。
昔のスイングから、今のドライバーに合ったスイングに変えることは、単純に言うと、リズムよく、楽に振ればいいというだけのことなのです。
実際の動きの中で説明すると、最も昔と変わったところは、トップからの切り返しです。
トップからの切り返しで、昔のようにパワーを貯めるタメの動きは、もう必要ありません。
手首の角度はアドレスからトップ、ダウンスイング、インパクトまで変えることなく、なだらかに振り切る。
それが最新ドライバーに合ったスイングです。
切り返しからの動きがこれだけ変わった理由は、やはりシャフトの変化が大きいのです。
過去のドライバーのシャフトは120グラム台のスチールシャフトでした。
そんな重いスチールシャフトをしならせて打つには、パワーが必要だったので、切り返しからパワーを貯める必要があったのです。


軽いシャフトのドライバーを打ちこなすポイント
しかし、今のドライバーのシャフトは、50グラム前後のカーボンが主流になったおかげで、重さが半分以下に軽くなった上に、楽に振ってもしなりやすくなったのです。
昔のタメを作るスイングでは、ダウンブローになるため、どうしてもインパクトではボールを上からこする現象が起きていました。
昔は、上がりにくいヘッドとボールの組み合わせだったので、上から打ち込むことが必要だったのです。
往年のジャンボ尾崎選手のスイングを思い出してください。
強烈なダウンスイングで活躍していたジャンボ尾崎選手は、ボールにバックスピンをかけることで、低く打ち出したボールが途中からホップするような打球を打っていました。
それが、過去の理想の弾道だったのです。
しかし、今、ホップするような打球を打つプロゴルファーはいません。
最新クラブ、そしてボールの進化により、今は、インパクトではレベルブロー、もしくはややアッパーブローで打つことで、一番打球が飛ぶようになったのです。
特に高反発ドライバーの場合、顕著でしょう。
大事なことは、水平なレベルブロー軌道でボールをとらえることです。
そのスイングは女子プロが参考になるかもしれません。
イ・ボミ選手のスイングは最高のお手本です。


トップで手の甲が上を向けば、レベルブローに打てる
前述の通り、以前のドライバーのシャフトは120グラムのスチールだったのです。
私がゴルフをはじめたころは、そんなドライバーを使っていたのです。
そして、そのドライバーを使っていた人に共通しているのがトップでの手首の動きです。
シャフトは、しならせることでボールにパワーを伝えるものですが、120グラムのスチールシャフトをしならせるためには、切り返しでのパワーが必要でした。
だから、自然とゴルファーはトップで手首をタテに折り曲げて、そこから手首をタテ方向に戻す動きで、無理矢理シャフトに負荷をかけていたのです。
しかし、今のドライバーは50グラムのカーボンです。
そんな軽量ドライバーを打つのに、手首をタテに曲げる必要はありません。
むしろ、手首の角度はアドレスから変えることなくトップまでクラブを動かし、トップでは手首が横に少し傾き、手の甲が真上を向くようなスイングが理想です。
それがレベルブローの第一歩です。
昔はトップでクラブを立てようとするために、手首を立てるような姿勢だったのですが、今はアドレスの時点から手首の角度を変えないのが理想です。
シャフ卜が軽くなったことで、無理にシャフ卜に負荷をかけるようなスイングは必要なくなったのです。
プロにドライバーの打ち方を習う
多くのアマチュアゴルファーは、自己流でゴルフを始めるので、そのときに付いてしまったクセをなかなか直すことができません。
それに気づかず、細部を修正していくので、余計に迷うことになり、上達を遅らせてしまうのです。
短期間で上手くなる人に共通しているのは、「プロに習う」というショートカットの思考を持っていること。
ゴルフ雑誌を読み漁り、毎週末練習場に通い、自己流のスイング改造をするのではなく、お金を払ってでも上手い人に教えてもらい、無駄な時間を省くという合理性を持った人が上手くなるのです。