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なぜ女子プロに飛距離で負けるのか
「女子プロって、小柄なのによく飛ぶよなぁ」と羨ましがるアマチュアゴルファーは多いのではないかと思います。
葭葉ルミプロや穴井詩プロなどをはじめ、勝みなみプロや原英莉花プロのようなダイナミックなスイングの女子プロも増えてきました。
そんな飛ばし屋と言われる彼女達ですが、実は意外と小柄で、身長は160センチ程度で体格的には一般女性と変わりません。
にも関わらず、ドライバーの飛距離は260ヤードを超えてくるのです。
一方、170センチで70キロくらいのアマチュア男性ゴルファーはどうでしょうか。
彼女達に見劣りするケースが殆どではないでしょうか。
実際、250ヤード近くまで飛べば、同伴競技者やキャディさんから褒められます。
250ヤードとは、そのくらい重みのある距離です。
一般的なアマチュアゴルファーの場合、230ヤード飛べばいい方だと思います。
平均にすれば、200ヤードくらいが現実かもしれません。
そう考えると、女子プロの飛距離はなかなかのものです。
それにしても、このパフォーマンスの差は一体どこからくるのでしょうか?





女子プロのドライバー平均飛距離
以下が女子プロのドライバー平均飛距離です。
重要なポイントは「平均」です。
ミスショットで飛ばなかったときや計測ホールで3Wを使った場合なども含めて、この飛距離なので、実際はもっと飛んでいると思って間違いないのです。
トップの笹生優花選手の平均飛距離は262ヤードなので、芯を食ってフォローの風が吹いていれば、おそらく300ヤード近くは飛ばすと思われます。
尚、笹生優花選手の身長は166cmで、平均的な男性よりも小柄ですが、この飛距離です。
順位 | 氏名 | 平均飛距離 |
1 | 笹生 優花 | 262 |
2 | 原 英莉花 | 257.15 |
3 | 勝 みなみ | 255.45 |
4 | 山路 晶 | 254.34 |
5 | 渡邉 彩香 | 252.65 |
6 | 穴井 詩 | 250.93 |
7 | 山城 奈々 | 250.52 |
8 | テレサ・ルー | 250.23 |
9 | 葭葉 ルミ | 250 |
10 | 野澤 真央 | 247.88 |
11 | 工藤 遥加 | 247.55 |
12 | 鶴岡 果恋 | 247.31 |
13 | 河野 杏奈 | 245.54 |
14 | 西郷 真央 | 245.05 |
15 | 松田 鈴英 | 244.29 |
16 | ペ ヒギョン | 243.83 |
17 | 小祝 さくら | 243.57 |
18 | 大里 桃子 | 242.57 |
19 | 上田 桃子 | 242.33 |
20 | 藤田 さいき | 242.1 |
21 | 植竹 希望 | 242.03 |
22 | 森田 遥 | 241.84 |
23 | 石川 明日香 | 241.69 |
24 | 高橋 彩華 | 241.54 |
25 | 仲宗根 澄香 | 241.02 |
26 | 岡山 絵里 | 241 |
27 | ペ ソンウ | 240.83 |
28 | 脇元 華 | 240.74 |
29 | 比嘉 真美子 | 240.19 |
30 | 新垣 比菜 | 240.15 |
31 | 全 美貞 | 239.05 |
32 | 木戸 愛 | 238.86 |
33 | 藤本 麻子 | 238.69 |
34 | 田辺 ひかり | 237.71 |
35 | 稲見 萌寧 | 237.42 |
36 | 吉田 優利 | 237.39 |
37 | エイミー・コガ | 237.28 |
38 | 福田 真未 | 237.19 |
39 | 髙木 優奈 | 236.55 |
40 | 成田 美寿々 | 236.54 |
41 | 柏原 明日架 | 236.39 |
42 | 永峰 咲希 | 236.31 |
43 | 竹内 美雪 | 236.03 |
44 | 臼井 麗香 | 235.9 |
45 | イ ミニョン | 235.64 |
46 | 田中 瑞希 | 235.59 |
47 | 濱田 茉優 | 235.25 |
48 | 辻 梨恵 | 234.79 |
49 | 蛭田 みな美 | 234.79 |
50 | 菅沼 菜々 | 234.67 |
51 | サイ ペイイン | 234.26 |
52 | 鈴木 愛 | 233.78 |
53 | 笠 りつ子 | 233.69 |
54 | 菊地 絵理香 | 233.5 |
55 | 川岸 史果 | 233.36 |
56 | 淺井 咲希 | 232.89 |
57 | 松森 彩夏 | 232.21 |
58 | 古江 彩佳 | 232.19 |
59 | 沖 せいら | 231.61 |
60 | 酒井 美紀 | 231.55 |
61 | 李 知姫 | 231.06 |
62 | 西村 優菜 | 230.58 |
63 | 大城 さつき | 230.37 |
64 | 安田 祐香 | 230.35 |
65 | 佐伯 朱音 | 230.34 |
66 | 山下 美夢有 | 230.28 |
67 | 武尾 咲希 | 229.93 |
68 | 下川 めぐみ | 229.83 |
69 | ユン チェヨン | 229.69 |
70 | 申 ジエ | 229.62 |
71 | 金澤 志奈 | 229.09 |
72 | 有村 智恵 | 228.95 |
73 | 三ヶ島 かな | 228.66 |
74 | 吉川 桃 | 228.33 |
75 | 永井 花奈 | 227.83 |
76 | 黄 アルム | 227.23 |
77 | 若林 舞衣子 | 226.88 |
78 | 安田 彩乃 | 225.5 |
79 | 木村 彩子 | 225.42 |
80 | 東 浩子 | 225.09 |
81 | 福山 恵梨 | 225.03 |
82 | 宮里 美香 | 224.6 |
83 | ささき しょうこ | 224.31 |
84 | セキ ユウティン | 223.69 |
85 | 吉本 ひかる | 223.06 |
86 | 篠原 まりあ | 221.13 |
87 | 新海 美優 | 220.72 |
88 | イ ナリ | 220.68 |
89 | 前田 陽子 | 220.65 |
90 | 青木 瀬令奈 | 219.93 |
91 | 吉本 ここね | 219.36 |
92 | S.ランクン | 215.79 |
女子プロに飛距離で負ける理由
「運動エネルギー」=「1/2×質量×(速度)2」
これは、重いヘッド(質量)で打つほうが運動エネルギーは大きくなり、速度を速くすればその2乗のぶんだけ運動エネルギーは大きくなることを示しています。
運動エネルギーが大きくなれば、理屈の上では飛距離は伸びるので、クラブは速く振ればいいことになります。
それなら、身長が高く、腕が長いほうが、そして筋力が強いほうが有利なはず。
どちらも、一般男性ゴルファーが女子プロに負ける要素ではないのです。
理屈では男性アマのほうが飛ぶはずなのに、なぜ飛距離で負けてしまうのでしょう。
その差はなんなのでしょうか??
効率的なドライバーの打ち方とはなんでしょうか。




女子プロが飛ばす理由はミート率
ミート率とは
答えはインパクト効率の差、言い換えれば「ミー卜率の差」です。
「インパクト効率(ミー卜率)」=「ボール初速÷ヘッドスピード」
例えばボール初速60メートル毎秒、ヘッドスピード40メートル毎秒だとすると、ミート率は1.5となります。
一般的にこの数字が1.5(数字上はこれを超えることも可能だが、かなり難しい)に近いほど、生み出したエネルギーを効率良く飛距離に変換できていると言えるます。
多くのプロは1.5に近い数値になりますが、アマチュアの大半は1.4を切ることが多いのです。
つまり、体格に劣る女子プロが男子アマよりも遠くに飛ばせる秘密は、ミート率にあるのです。
ミート率とは芯に当たること
遠くに飛ばすためにはインパクト効率(ミート率)こそが重要ですが、ミート率とは、つまり「芯に当たるかどうか」。
当然、芯に当たらなければクラブ性能上も最大の反発特性が活かせないので、ボール初速が高まるはずありません。
それなら、単純に芯に当てればそれでいいのかというと、これもまた違うのです。
芯に当たっても、ミート率は最適の1.5にならない可能性もまだ残っています。
芯に当てたとしてもフェースの向き、ロフト、軌道などが正しくないと、やはりミート率は落ちてしまうのです。
こと初速に関して言えば、へッドを振る軌道に一致する角度と方向に打ち出すときがいちばん速くなります。
これをゴルフスイングに言い換えれば、インサイドインの軌道で、水平(レべル)や少しだけアッパー(上向き)にヘッドをボールに入れていくスイングになります。
このスイングなら、フェース面を力べのように使ってエネルギーを飛ばす方向にムダなく伝えられるのです。
今日からはヘッドスピードに執心するよりも、ぜひインパクト効率(ミート率)に注目してほしいと思います。
そして、ゴルフショップや計測機器で現在の数字を確認してみてください。
ミート率を上げる方法
短く持つ
ブロがミート率を上げたい場面で実行する、非常にシンブルな方法があります。
グリップエンドを1インチ程度余らせて持つのです。
野球で大振りを防ぎ、確実にボールを叩こうとするときにグリップエンドを余らせて打うのと同じです。
ヘッドの操作性がよくなるため、芯に当たりやすくなります。
ヘッドスピードが落ちたり、シャフトのしなりが落ちるとしても、芯に当てるほうが飛距離は出やすくなります。
フェースを閉じて使う
ヘッドスピードは同じでも、ミート率が違ってくると、インパクト直後のボール初速が異なってきます。
ボール初速が「1」違うと約7ヤード飛距離が変わると言われているので、いかにミート率が重要かがわかるでしょう。
ミート率が決まる要素のひとつは、インパクト時のフェースの向きです。
殆どのアマチュアゴルファーは当たる瞬間にフェースが開いています。
いわゆる力のない「スライスボール」が出るのは、このフェースの向きが原因であることが多いのです。
フェースが開くと、効率的に運動エネルギーがボールに伝わりません。
インパクトでフェースが開いてしまう理由は、主にハーフバックにあります。
ハーフバックでは、体の前傾とフェースの向きが平行になることが理想です。
アマチュアはハーフバックでフェースが開いてしまっているケースが圧倒的に多いのです。
そのままトップスイングに入りますが、当然、フェースは開いたままです。
そのままダウンスイングに入ってくるので、結局インパクトでもフェース開いたままで、擦り球が出るのです。
これではミート率が上がりません。
ハーフバックでフェースが開かないようにし、インパクト時のフェースの向きを真っ直ぐにすることでミート率が向上するのです。




ミート率向上こそが飛距離アップの源泉
飛距離はヘッドスピードとの思い込みがあるため、力一杯ドライバーを振り回す男性アマチュアゴルファーは多いと思いますが、飛距離には「ミート率」が欠かせないのです。
力で飛ばすのではなく、しっかりとしたいいスイングで飛ばすことを目指してください。
ミート率向上の参考になる動画を見て、是非スイングづくりに励んでください。