ゴルフのアドレスとは
アドレスの構成要素
ゴルフにおけるアドレスとは「ボールを打つために構えること」で、大きく3つの要素から構成されています。
■足の位置を決める=スタンスを取る行為
■姿勢をとる=すべての部位を正しい位置に置くこと。一般的に「ポスチャー」と呼ばれる
■クラブを地面につける=ソールをしてアドレスが完成
アドレスの重要性
ゴルフを始める際、まずアドレスとグリップから教えられると思います。
それだけ重要だからです。
では、なぜアドレスが大事なのでしょうか。
その理由は、主に以下の2点にあります。
■方向性や弾道に影響するから
■安定性に影響するから
正しくアドレスできれば、自分が思ったラインにボールを打ち出せるため、ミスショットが減ります。
逆に言えば、正しいアドレスが取れなければ、ミスは激増します。
ゴルフは確率のスポーツなので、ミスショットが減ればスコアは確実によくなります。
つまり、アドレスは「スコアに直結」している重要なファクターなのです。
上手くならない理由はアドレス
ある程度のキャリアがあるにも関わらず、スコアが伸び悩んでいるゴルファーの多くは、アドレスに問題を抱えています。
それほどアドレスは、ゴルフの上達に影響するのです。
スコアに伸び悩みを感じている方は、改めてアドレスを見直してみるといいかもしれません。
正しいアドレスの作り方
理想的なアドレス
プロのアドレスは、背筋を軽く伸ばし、適度に前傾し、お尻を軽く突き出して、ヒザを柔らかくする点が共通しています。
下半身がしっかりしていて、足の指で地面をガッチリとグリップし、重心が落ちている感じがします。
いかにも自然なスイングができそうなイメージです。
アドレスで一番大切なのは「スイングしやすい姿勢を作ること」です。
ドライバーとアイアンのアドレスは同じ
これはドライバーでもアイアンでも同じです。
動きやすい自然な姿勢なら、持てる力を発揮しつつ、クラブに仕事をさせられるので、自然に飛距離が出るようになります。
多くのプロが、毎日アドレスのチェックをするのは、そのためです。
実際、トーナメント会場でも、 プロがキャディにアドレスをチェックさせている光景をよく見かけます。
ほんの小さな変化が、弾道の違いになってあらわれるので、プロはアドレスを重視するのです。
とはいえ、動きやすい姿勢は身長や体型によって変わるので、すべてのゴルファーに共通するものではありません。
背が高い人は体を起こして構えることが多く、お腹が出ている人は上体の前傾を深くしないとボール に対して構えづらいでしょう。

アドレスの4つの基本
スタンス幅
スタンス幅は、体型だけではなく、番手によっても変わってきます。
スタンス幅が広いと大きく体重移動ができる反面、体の回転がしづらくなります。
一方、スタンス幅が狭いと体重移動が少なめになるかわりに体が回転しやすくなり、シャープなスイングができるようになります。
背筋を伸ばす
理想的なスタンスは、力を抜いて軽く胸を張り、左右の肩甲骨を少しだけ近づけるようにして、自然な形で背すじを伸ばします。
そして、お腹から体を折ると背すじが丸まるので 骨盤を前傾させます。
足のつけ根から上を体と考え、そこから前傾させるイメージです。
背中が丸くなるアドレスはよくありません。
膝を曲げない
さらに、膝を曲げて腰を落とすのではなく、車のショックアブソーバーのように両ヒザを柔らかくしておくことも大切です。
両ヒザを内側に絞ったり、ヒサが伸びて立ち気味になったりして、無駄な力が入っていると柔らかいスイングができなくなります。
手の位置
腕をダランと垂らしてグリップしましょう。
手の位置はアゴの真下あたりがベストです。
インパクト時に、アドレスでセットした手の位置に戻ってくることが基本なので、自然な位置に手をセットします。
具体的には、左股関節(左太もも)の内側あたりで構えられるといいでしょう。
右肘
右肘は突っ張るのではなく、少し余裕を持たせます。
少し曲げておいた方が上手くたたみやすくなります。
右肘の向きはおへその右側を指すように、力を入れずにリラックスさせます。
右肘の位置や角度は、シャフトやスイングスティックなどの棒状のものを左肘の下と右肘の上で挟んでみると分かりやすくなります。

アドレスのチェックポイント
肩の位置
正しいスタンスをつくるには、背筋のみならず頭から腰までを真っすぐにするイメージで立つところから始めてください。
このように構えることで、顔が下を向かなくなります。
なぜ顔が下向きになるとよくないのでしょうか。
まず顔を下に向け、スイングの要領で体を左右に回してみてください。
途中で体が窮屈になり肩が回らなくなるはずです。
次に顔を正面に向け、下目づかいにボールを見る感じで同じ動きをしてみてください。
肩がスムーズに回り大きく動けることがわかると思います。
こうなったのは顔が正面を向いたことで背筋が伸び、肩の可動域が広がったからなのです。
ボールをしっかり見ようとして顔が下を向くアマチュアゴルファーは多いですが、実はこれだと背中が丸まって肩が回らなくなってしまいます。
ちなみに、アドレスからスイングを通してボールをジッと凝視しているプロは皆無で、ほぼ全員がボールを含んだ周辺の景色を「何となく」「ボーッと」見ていると言います。
これは正しくアドレスするとボールを注視できないことを示しているのです。
前傾
頭から腰を真っすぐにすることに加え、股関節から上を前傾させれば、いつも同じょうにアドレスできるようになります。
スイング中に前傾角度をキープしやすいので体をしっかりねじることも可能になります。
トップの位置
この体勢でアドレスできたら、トップまでいき、そこで静止してください。
体がしっかりねじれていれば、トップで止まるのは相当キツイはずです。
容易に止まっていられる場合は、身体の捻転が少なくなっていると思われるので、まずはアドレスを見直したほうがいいと思います。
これは、ドライバーとアイアンに共通して言えることです。
ゴルフアドレスのチェックポイント
上半身の軸を右側に傾ける
グリップは右手が下になるので、少し右肩が下がる姿勢が自然です。
上半身の軸が真っ直ぐだと、インパクトでボールをつかまえることが難しくなります。
両肩のラインは地面と平行
右肩は下がり気味になりますが、トップから切り返しの動きに影響するので、できるだけ両肩は平行にします。
グリップ位置は左太ももの前
グリップ位置が右に寄り過ぎるとインパクトでフェースが開き、グリップ位置が左に寄り過ぎると、インパクトでフェースが閉じてしまいます。
グリップは左太ももの前あたりが理想です。
体重をバランスさせる
体重が右足に偏っていると、すくい打ちになり、インパクトでボールをつかまえることが難しくなります。
体重が左足に偏っていると、右サイドが突っ込み、カット軌道になります。
頭の位置
頭の位置が動きすぎるとスイングプレーンが乱れます。
頭の位置は、アドレスからインパクトまで変わらないのが理想です。
腰を落とさない
腰を落としすぎると後傾になります。
体重はかかとではなく、つま先にかけます。
腰は自然に伸ばした状態で、膝を少し曲げて柔らかさを保ちます。
リラックスする
緊張して力みすぎると、スイングが硬くなります。
主に肩、腕、手首の上半身をリラックスさせ、スムーズなスイングを心がけます。
