ダフりのメカニズム
ダフリとは
「よし、ここは一発、飛ばしてやろう」と意気込んでドライバーをマン振りしたものの、思いっきりダフってしまい、飛距離100ヤード・・・という苦い経験をされた方がいるのではないでしょうか。
また、ドライバーで会心のショット!かなり飛んでフェアウェイのど真ん中。
2打目でベタピンにつけて、バーディーを狙いたい!と思って、気合のショットが大ダフリ・・・って経験、ゴルファーなら誰でもあると思います。
邪念が入れば入るほど、ダフってしまうものです。
しかし、ダフりはアマチュアの初歩的なミスではなく、トッププロでもダフります。
テレビ中継でも、よくダフってるシーンが放送されています。
要は程度の問題で、アマチュアのように地球が揺れるほどダフらないだけで、ミリ単位のダフりは結構あるのです。
ダフリの語源
「ダフリ」とは、英語で「叩く」を意味する”duff”に由来する言葉で、ヘッドがボールにコンタクトする前に地面に当たってしまう状態を指します。
ボールの手前の地面を打ってしまうミスで、力いっぱい振り下ろしたクラブのエネルギーが地面に吸収されてしまうため、当然、飛距離をロスします。
よく「練習場ではダフらないのに、コースに出るとダフる」という人がいますが、それは練習場のマットは人工芝のため、ダフっていても滑ってボールに当たっていたからなのです。
しかし、コースは天然芝なので、ダフると球は飛びません。
ダフった瞬間にクラブの勢いは大きく削がれ、ボールへのインパクトは小さくなるので、球はころころとわずかにころがるだけになります。
いわゆる「チョロ」と呼ばれる結果になります。
トップなら、ボールが前に飛んでくれるので、まだスコアメイクできますが、ダフリは丸々1打を損した気分になります。
特にグリーン周りでは「寄せたい」との思いが強くなり過ぎるあまり、ついついザックリ・・・のパターンが多いようです。
ダフリの原因
頭の上下動
ダフリの原因のひとつは「スイング中に頭が上下に動くこと」です。
それにより、前傾角度が崩れます。
飛ばそうと思うと体は浮き上がりやすくなり、膝が伸びてしまいますが、これだけでアドレスの頭の位置からは大きくズレることになります。
また、打ったボールが気になり、球を追いたい気持ちから顔を早めに上げてしまいますが、これだけのことでもアドレス時に体が起き上がってしまい、頭が上下動します。
このように無意識のうちに前傾角度が崩れてしまい、ダフってしまうのです。
ダフリはアドレスに問題がある
アマチュアゴルファーはスイングする前にダフっていると言われます。
つまり、「アドレス」に問題があるのです。
アマチュアは、アドレスでボールから離れすぎる傾向にあります。
そして、バックスイングで上体が起きてしまい、アドレス時の前傾姿勢が維持できていません。
体が起きると、さらにボールと体との間隔が開くので、ダウンスイングでボールを打ちにいくようになります。
その結果、上体が突っ込む、右肩が下がってダフることになるのです。



ダフらないスイング
ダフらないためにはボールの近くに立った方がいいのですが、ボールに近づくと手元が詰まって余計にダフる気がします。
そんなときは、クラブを短かく持って、ややアップライトに構えることをおすすめします。
ボールから離れるとフラットなスイング軌道になり、これがダフる原因になるので、それなら近づいてアップライ卜に振るとの理屈です。
クラブを短く持てばインパクトで手元が詰まりません。
慣れてきたら徐々にもとの長さに戻していけばいいだけです。
まずは短く持って、アップライトに振っているうちに、いつの間にかダフらなくなっているはずです。
ダフらないボール位置
打とうとするとダフる
ゴルフは、ボールを打とうとするほどミスが出やすくなります。
ビギナーやアベレージゴルファーは「ボールをよく見て力一杯に打つ」「とにかく振ってインパクトを強くする」と考えてスイングしてしまいます。
これでは、全身に力が入ってしまい、ダフること確定です。
スイングの前には「セオリー」があります。
これを無視してスイングしても、いい結果にはなりません。
ダフリたくなければ、ダフらないセオリーを知っておいてください。
ボール1~2個分右側に置く
ダフり防止のためにボールを通常ょり1〜2個分右に置くことは、非常に効果的です。
普通にスイングしたとき、ボールの手前にヘッドが落ちるのがダフりなので、ボールをやや右に置き、いつもと同じように振れば、ダフらなくなるのは当然です。
応急処置的な対応ですが、即効性はあるので、コースでダフリが連発したときには有効な対処法です。
アマチュアは全般的にボールの位置が左に寄りすぎかもしれません。
やや右寄りにあるボールに対し、打ちにいくことなく、正しくスイングすればダフることはありません。
重心を落としたハーフスイング
効果的な練習法は「重心を低くして打つ」ことです。
両足を広く開いき、腰を落とすように重心を低くしたアドレスを作ります。
これにより、手元を低く動かす感覚を養えます。
そして、低い体勢のまま振ることで、自然に手首の角度はキープされるので、理想的なインパクトが再現できます。
この練習の際の振り幅は、手首の角度が崩れずに、上体が起き上がらない振り幅で十分です。
おそらく、ハーフスイングくらいのイメージでしょう。
小さなスイングで構わないので、その状態でボールを打ち、インパクトゾーンで手首をキープさせる感覚が掴めれば、無駄な動きを排除したダフリにくいスイングが身につくはずです。
ダウンブローを習得する
シングルプレーヤーのアイアンショットでは、ボールの先の芝(ターフ)が取れています。
これは、ヘッドがボールに当たったあとも下降を続け、ボールより先で最下点を迎えているからに他なりません。
これが「ダウンブロー」です。
ダフリは、ボールよりも手前でヘッドが最下点を迎えることで起こる現象です。
この原因はいくつかありますが、ビギナーに多いのはダウンスイングで体重が右足側に残ってしまう状態。
いわゆる「明治の大砲」になっている場合です。
とくにアイアンでは、地面にあるボールを上げようとするあまり、軸が右足寄りになってボールの手前を叩きやすくなります。
この対策は、構えた時にボールを見るのではなく、ボールの左側にもうひとつの仮想ボールを設定すること。
それを打つイメージでスイングすると、ダウンブローに近いスイングができるようになります。
これにより、軸が右にズレにくくなり、ボールの手前にヘッドが落ちるミスを防ぐことができます。

