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ミート率向上にはバランス力
アドレスのときは、ボールとクラブの芯が当たるようにセットしているにも関わらず、なぜスイングをすると芯に当たらないのでしょうか。
それは、下半身を中心にスイングのバランスがとれていないからです。
そもそも、構えた通りに戻してくれば、芯に当たるはずなのに、それができないのは、スイングがグラグラしていて再現性がないからです。
特に100前後のスコアのゴルファーはスイングバランスが悪い傾向にあります。
芯を喰えば、ボール初速が上がるので、確実に飛距離は伸びます。
つまり、飛ばしたければ、バランスのよいスイングを身に付け、芯を喰う確率を上げることが重要なのです。
ミート率向上に必要なこと
スイングのバランス力を高めるには、一本足で振るメニューがおすすめです。
宮里藍選手が取り入れていたので、ご存知の方も多いと思います。
右利きの人のほとんどは利き足も右なので、右足一本で振ることは比較的簡単に感じるかもしれません。
もし10分間、この練習をやるなら、右足は3分でいいと思います。
重要なのは、利き足でない左足のバランス力です。
残りの7分を不器用な左足の感度アッブに費やすと、驚くほどスイングの安定感が変わってきます。
はじめは8番アイアンの素振りから始めましょう。
最初はアプローチの感覚でいいと思います。その後、だんだん大きくしていき、50ヤードくらいが打てるようにしましょう。
スイングが安定しない場合は、もう片方の足のつま先を少し後ろで地面につけて支えてもいいでしょう。
下半身を固定しない
ポイントは、下半身を固定して安定させようとするのではなく、下半身は自由に動ける状態にしておくことです。
構えたときに、足首、ヒザ、股関節をクッションのように使って体を上下に揺せる準備をすることが大切です。
この状態でクラブを振ってみると、体幹にバランスの中心がある感覚がつかめてくるはずです。
筋力に頼らない
もうひとつのポイントは、筋力を使って無理矢理立とうとしないこと。
スイングのバランスにとって、ある程度の筋力は必要ですが、それだけでは不十分です。
たとえば下半身の筋力が安定している競輪選手でも、ゴルフスイングに慣れないうちはグラグラして、見てくれの悪いスイングになります。
筋力を使ってもクラブの重さとスイングで生み出される遠心力にとってはほとんど無力なのです。
逆に、筋力のない人ほど、力に頼ろうとしないため、早くバランスがとれるようになります。
これは「骨で立つ感覚」と言ってもいいかもしれません。
人の骨格は2本足で立つことにおいて合理的な構造なので、それを活用しつつ、軸を中心としてヘッドの遠心力とカラダの引つぱり合う関係をつくってやれば、力など入れなくてもバランスはとれるのです。
最初はスリークォーターショットから
左足一本の場合、フルスイングではなく、スリークォータースイングができれば十分です。
左足一本でスイングのフィニッシュがビタリと安定してきたとき、両足でのスイングに戻せば美しい理想のフィニッシュがとれるようになり、芯を喰う確率の高いスイングになっているはずです。
一本足のスイング練習でバランス力を高めておけば、傾斜地などのライの悪い場所でも、安定したショットが打てるようになる副次的効果も期待できます。
傾斜地からのリカバリーショットが安定してグリーンに乗ってくれば、スコアも一気に縮まります。
芯に当てるには体重移動を意識する
ドライバーが飛ばないの原因のひとつは、体重がうまく乗らないことです。
これは下半身のリードで打てていないことが大きな理由です。
飛ばすためには、体全体を使ってクラブをしならせ、加速度を最大にしてボールを打つことが必要になりますが、下半身を上手く使えないとこの打ち方ができなくなるのです。
また、下半身を使わないと手だけで打つスイングになるので、アウトサイドインのカット軌道になりがちです。
これではフェースが開いてボールは高く上がり、スライス回転がかかるので、余計に飛距離をロスしてしまいます。
これへの有効な対策は「インサイドからしっかり体重を乗せて打つこと」です。
練習方法は、まずバックスイングしながら体重を右に移動してみてください。
その後、下半身の体重を左サイトに移します。
よく左サイドに壁を作るとよく言いますが、左足の踵の上に左膝、左腰をぶつけるように体重を移動します。
体重移動が完了したら、クラブのしなりを感じながらボールから目を離さずに素早く打ち抜きます。
これで体重の乗ったいいボールが打てるはずです。
体重移動の練習法
体重移動を会得できる練習法は「一本足素振り」です。
テイクバックに合わせて右足一本で立ち、ダウンスイングからインパクトにかけて体重移動を意識しながら左足を降ろし、フォロースルーでは左足一本で立つ。
往年の王貞治選手のあのスイングをイメージしてみてください。
これをゆっくりリズムよく3回程度繰り返します。
そして、実際に打つときにも素振りでの一本足による体重移動を意識します。
これを繰り返していくうちに、自然と右足体重から左足への移動ができるようになり、飛距離が伸びるでしょう。
但し、上体が起き上がらないように注意する必要があります。
アドレスで作った前傾姿勢が崩れると、正しいインパクトができなくなります。
ミート率向上にはゆっくり振る
プロや上級者のスイングは早いと思われがちですが、実ははかなりゆっくりしたリズムでスイングをしています。
上手い人は、思いっきり振ることが飛ばしの条件ではないことを知っているからです。
ゴルフの難しさは、飛ばそうと意識しすぎると、逆に飛ばなくなることです。
とりあえず「ゆっくり振る」ことだけを意識して練習をしてみてください。
ドライバーや7番アイアンで100ヤードを打つくらいの意識でスイングするイメージです。
すると、徐々にいい当たりが出る回数が増えてきます。
そして、全力で振っているわけではないのに、不思議と飛距離も伸びてくるはずです。
スイングのバランスとミート率
つまり、飛ばそうと意識しすぎると、力むのでスイングのバランスが崩れるのです。
当然、フィニッシュが取れなくなることが多いと思います。
そうなれば、ヘッドの芯に当たる確率は低下します。
いわゆる「ミート率」が悪くなるのです。
芯を外れれば、無駄なスピンが増えるので曲がってしまう。
おそらく、フェイスが開いてしまっているため、スライス回転のかかったボールになることが多いでしょう。
アベレージゴルファーは、ヘッドスピードをあげることばかりを考えて、ドライバーを振り回しますが、結局、これが飛距離をロスさせているという皮肉な結果になっているのです。
飛ばしたければ、体の回転軸が崩れないスイングが不可欠で、そのためにはバランスが崩れないようにゆっくりスイングする練習方法が最短距離なのです。
しっかりミートできるようになれば、徐々に飛距離が伸びてきます。
飛ばす秘訣は、決してヘッドスピードではありません。
自分の筋力に合ったスイングによるミート率の向上こそが飛距離に必要な要素なのです。
芯に当てる練習
このように、ゴルフスイングにはバランスが必要不可欠です。
このバランス感覚を養うために「バランスディスク」を使った練習をしてもいいでしょう。
これは、宮里藍選手が練習に取り入れていることが有名です。
練習場へ行くとジュニアの練習でよく使用されているのを目にします。
スイング中のバランスがよくなることで、インパクトの安定感が高まるのです。
バランスディスクを使った練習法
ショートアイアンでアプローチショットを打つトレーニングがおすすめです。
バランスの悪いスイングをしていると、しっかりインパクトができません。
上体が突っ込んだり、腰が引けるとバランスを崩して空振りすることもあるはずです。
正しくインパクトするポイントは、ダウンスイングで前傾姿勢を維持すること。
そして、重心バランスを崩さずに、両膝を平行移動させて振り抜くことです。
バランスディスクの上で両膝を柔らかく使えるようになると、フォローでフェースにボールが長く乗るようなスイングが体得できます。
この感覚がわかるようになれば、スピンの効いた柔らかいボールが打てるようになります。
難しい練習ですが、下半身が安定したスイングが身に付けば、自ずと飛距離はアップするはずです。
【芯を喰うドライバー】