ボールの球筋は9種類
ボールが曲がるのは軌道とフェースの向き
ゴルフでボールが曲がる要素は2つあります。
「クラブヘッドの軌道」と「フェースの向き」です。
軌道がストレート・トウ・ストレートでフェースがスクエアなら「ストレートボール」が出ます。
軌道がストレート・トウ・ストレートでフェースがオープンなら「フェード」になります。
軌道がストレート・トウ・ストレートでフェースがクローズなら「ドロー」です。
このように、ひとつの軌道には、3種類のフェースの向きがあります。
軌道は「アウトサイド・イン」と「インサイド・アウト」もあり、それぞれに3種類のフェースの向きがあるので、合計9種類の球筋が出るのです。
ストレート・トウ・ストレート
②フェースがオープン:フェード
③フェースがクローズ:ドロー
アウトサイド・イン
⑤フェースがオープン:プルスライス
⑥フェースがクローズ:プルフック
インサイド・アウト
⑧フェースがオープン:プッシュスライス
⑨フェースがクローズ:ブッシュフック
このうち④⑥⑦⑧はOBになる球筋です。
少なくてもフェアウェイには残りません。
残りの球筋である①②③⑤⑨をコース内でどうやって打つか。
④⑥⑦⑧になりそうな球を①②③⑤⑨にするかがスコアメイクのカギになります。
緊張すると球は曲がる
コースは緊張する
軌道とフェースの向きを完全にコントロールするのはプロでも不可能です。
どうしても微妙なズレが出てしまうのです。
それほど微妙な軌道とフェースの向きをアジャストさせるのが、ゴルフというスポーツですが、練習場では、グリッププレッシャーを小さくし、腕の力を抜き、上半身をリラックスさせる自分なりの「力の入れ方」ができるため、球筋をコントロールできるかもしれません。
そうすれば球は曲がらず、いつもの自分の球が出るでしょう。
しかし、コースで再現できるかは別問題です。
日頃から力みをとる練習をしていても、いざラウンドとなると、やはり力んでしまい、いつもの感覚がなくなってしまうものです。
朝イチのテイショットともなれば緊張は頂点に達して、気付かぬうちにガチガチに力んでしまっているのではないでしょうか。
つまり、コースでは緊張しているのです。
これでは、いつもの自分の球筋が出ず、④⑥⑦⑧が出てしまうのです。
メンタルを落ち着かせる
この原因は「メンタル」と「フィジカル」の両面にあります。
心臓がドキドキして心拍が乱れるのは、自律神経が関連しているようです。
自律神経には、気持ちをポジティブにする交感神経とネガティブにする副交感神経があり、前者が優位になると躁傾向、後者が優位になると鬱傾向になるそうです。
通常は双方のバランスがとれていますが、朝イチのテイショットの前は、極度の緊張で交感神経が優位に立っていると考えられます。
これを解決するためには「深呼吸」がおすすめです。
特に息を吐ききることが大切です。
鼻から息を吸い、ロからゆっくりと吐ききるまで吐くのです。
吸ったときよりも時間をかけてゆっくりと吐き出してください。
息を吐くことで体が暖まり、自律神経が安定します。
交感神経や副交感神経の働きを自分ではコントロールできませんが、呼吸をコントロールすれば、それらの働きが穏やかになり、ドキドキを和らげられます。
メンタルからくる力みは深呼吸で解決できます。
気持ちが落ち着けば、ショットは安定し、いつもの①②③⑤⑨の球筋が出るはずです。
これはショットの直前はもちろん、前夜、気持ちが高ぶって眠れないときも効果があります。
下半身の動きで球を曲げない
下半身を動かす
フィジカル面の緊張感は、簡単な運動で解決できます。
朝イチのテイショット前に力みをとるには、なにより「下半身を動かすこと」です。
朝起きてからス夕ートするまで、着替えたり車の運転をしたりなど、上半身は結構動かしていますが、それに比べると下半身は殆ど動かしていないと気付くでしょう。
寝ている間は体が動かない分、血流も悪くなるので、朝一は踏ん張りがききません。
そのため、まずは体を目覚めさせることが重要になるのです。
足を動かせば球は曲がらない
歩けば下半身は動き出します。
まずは歩行で下半身の血流をよくすることが大切なのです。
スタートまでの時間があれば、軽いランニングをしてみるといいでしょう。
特に冬場は、全身の血流がよくなり、体全体がポカポカしてきます。
そこまでの時間がなければ、ロッカーで太モモを高く上げて足踏みをするなど、積極的に足を動かしましょう。
下半身を動かすことで重心が下がり、体の浮わついた感じがとれ、上体の力が抜けやすくなります。
打つ前には、片足ずつを前に出し、ヒザを曲げて体重をかけるフロントランジというエクササイズをやると、なお下半身の動きが活発になります。
敢えて力むと球は曲がらない
思いっきり全身に力を入れる
力を抜くのが難しいのは、力の入った状態を理解していないからです。
そのため、自分では一生懸命に力を抜いているつもりでも、実際にはに力んでいる現象が起きてしまうのです。
それなら一度、思いっきり力んでみましょう。
これで力の入った状態が把握できるので、自分の中で基準を作れます。
わざと力んでから、脱力してみる。
この筋弛緩法なら、力が抜けたことを実感できるはずです。
筋弛緩法のやり方
まず両腕を伸ばして、手を前に突き出してます。
そのまま拳を力一杯握り、続いて腕、肩に力を入れながら拳を引き寄せましょう。
肩甲骨にも力を込め、下半身にも力を入れてます。
そして、しかめっ面になるまで全身に力を入れたら、一気に脱力します。
わざと力むことで、脱力の感覚が理解できるようになります。
球を曲げないコツ
余裕をもって家を出たのに、事故渋滞で予定が大幅にくるってしまう。
なんとかスタート時間ギリギリに到着して、ストレッチも練習もせず、いきなりテイショットというシチュエーションもあると思います。
そのときは、きっと不安でしょう。
おそらく、間に合うかどうかで気を揉んだので、知らないうちに心臓はドキドキしているはずです。
また、練習もしていないので、体がどう動くかもわかりません。
このように、コースでは心理的不安をあおる原因がいくらでもあるのです。
そんなときは、まず深呼吸で、気持ちを落ち着かせましょう。
そして、意識的に下半身を動かして重心を下げれば、下がどっしりするので、結果として上半身から力が抜けるのです。
これで、いつもの球筋が出せるので、スコアがよくなります。