芯を食えば飛ぶ
クラブの重心
ゴルフクラブには必ず重心があります。
「低重心クラブ」というキャッチコピーがありますが、まさにあの重心のことです。
この重心にボールが当たるとボールは勢いよく飛びますが、反対に重心を外すと飛距離を大きくロスします。
より具体的にいうと「クラブヘッドの重心」「ボールの重心」「クラブパス(クラブの軌道)」の3つがインパクトの瞬間に一直線上に並ぶ状態になれば、飛距離は伸びます。
この状態ではクラブヘッドでボールを押すことができ、運動エネルギーがロスすることなく効率的に伝達されるので、ボール初速が最大になるのです。
ボール初速が最大になると飛距離はアップします。
つまり、飛ばしたければ、どれだけ正確に重心で捉えるかが重要になるのです。

重心=スイートスポット
重心を言い換えると「スイートスポット(芯)」です。
重心より、「スイートスポット」「芯」の方が馴染みがあるかもしれません。
ゴルファーなら「今のは芯を食った」と言ったことがあると思います。
このスイートスボットでボールを捉えたときは、手に伝わるショックが少なく、不思議な手応えがあるはずです。
あの当たった感触がない、芯食いショットの絶妙な感覚はとても気持ちがよく、病みつきになってしまうものです。

芯で捉えるショット
芯食いショットとは
ボールを打った時、インパクトでの感触が手に伝わることもないのに、ボールは真っ直ぐに、しかも駕くほどよく飛んだとの経験、ゴルファーなら誰もがあるのではないかと思います。
まさに、あれこそが全ゴルファーの目標「芯食いショット」です。
スイートスポットに当たった場合は、運動エネルギーがすべてボールに伝わって手に感触がないのです。
あの不思議な感覚は、このメカニズムによって引き起こされているのです。
ミート率
ここで「ミート率」のお話をしておきます。
ミート率とは、ボールに対しての効率的なエネルギー伝達を示す数値のことで「ボール初速 ÷ ヘッドスピード」で算出されます。
ミート率が高いほど、同じヘッドスピードでもボール初速はより速くなります。
背が低く、非力な女子プロのドライバーが、男子アマよりも飛ぶのは、このミート率が高いからです。
言い換えれば、芯を食う確率が高く、またその再現性が高いからなのです。
多くのアマチュアゴルファーはヘッドスピードを上げようとしますが、それよりもミート率を上げる方が飛ぶのです。

芯の食い方を計測する
この「ミート率」は弾道計測器で測ることができます。
多くのプロが使用している「トラックマン」が有名ですが、これは数百万もするので、個人で買うのは現実的ではありません。
現在、個人用として、持ち運びが可能な小型計測器も発売されているので、これでも十分に代用できると思います。
かなり正確な数値が計測できるので、スイングの改善点が手に取るように理解できるはずです。
自分のスイングを数値化(見える化)しておくことは大切です。
定期的に数値を比較することで、よくなった点やダメになった箇所が定量的に把握できるようになります。
感覚に頼らず、数値として芯食いを計測してみてください。

スイー卜スポットはどこにあるのか
クラブヘッドのスイートスポットがどの辺りにあるのかの見つけ方は、左手でクラブを地面に平行にして持ち、ヘッドのフェイスを上にして、右手でボールを持ち、フェイスを適当にコッンコッンと叩くと、左手に振動が伝わってこない場所があります。
ここがスイートスポットです。
このスイートスポットで打てるようになると、ボールは安定して飛びますが、意識してスイートスポットに当てることは、プロでも大変難しいもの。
再現性の高い完成したスイングと高度な技術を要するので、簡単ではありません。
これができるようになれば、確実にシングルプレイヤーになれるでしょう。
芯を食うのは、それほど難しいことなのです。
芯を食うスイングの練習
上級者は「感じ」を芯食いを覚えると言います。
何回もボールを打って、手(グリップ)に感じる衝撃が少ない、「あっ芯を食ったな」との感覚を身に付けていくのです。
ほんの少しの感覚を研ぎ澄ますことで、自分のスイングが作られていきます。
この感覚のときは芯を食う。
この感触のときは、スイングをこう変えるなど、自分なりのバロメーターがあると、再現性が高まるのです。
芯を食ったときの音
芯を食った時の「音」も重要です。
アマチュアゴルファーのドライバーショットは「キーン」のような甲高い音がする傾向にあります。
あまり心地のよくない、耳障りな音です。
一方、プロのインパクトの音を間くと「ブチュ」のような鈍い音がします。
この独特の音こそ、「スイートスポット」で捉えたとき特有の打球音です。
プロはスイングを音で覚えると言います。
スイートスポットに当たったときの「音」をよく覚えておくことで、感覚が磨かれるのです。
音を聞きながら、芯食いショットがイメージできるようになると、安定したショットが打てるようになっているはずです。