ゴルフクラブの握り方
ボールを打つ道具であるクラブと体をつなぐ唯一の接点が「グリップ」です。
ゴルフ初心者は、グリップの重要性を軽視しているかもしれませんが、グリップの良し悪しで球質は大きく変わり、飛距離にも影響します。
伝説の名プレーヤーのジーン・サラゼンは「スイングの70%はグリップで決まる」と言っています。
自己流の癖のあるグリップの場合、ある程度までのスコアは出せるかもしれませんが、それ以上は望めません。
安定的に100を切りたいのであれば、まずは正しいグリップを知る必要があります。
左右のグリップの役割り
左右のグリップには、それぞれの役目があります。
まずは左手と右手の役割を理解した上で、正しいグリップができるようにしてください。
左手のグリップの握り方
左手グリップは、方向性を決定します。
ある程度の力で握り、スムーズに振れるようになると、スイングが安定し、方向性がよくなります。
グリップを最大の力で握った場合を「10」とするなら、「5~7」くらいの力の入れ具合が理想でしょう。
しかも、重要なのは「小指、薬指、中指だけで握る」こと。
親指と人差し指に力が入ると、クラブヘッドがスムーズに動かなくなるので、この2本の指は殆ど力を入れないようにしましょう。
左手のグリップ解説動画
右手のグリップの握り方
右手のグリップはパワーを生むので、飛距離に影響してきます。
目標方向にまっすぐ力強く押すように握りますが、力一杯握ってしまうと、スイングを壊すので、右手のグリップも適度な力加減が求められます。
右手も左手と同様に、力を入れるのは、小指、薬指、中指の3本ですが、極端に言うと「小指だけ」でもいいかもしれません。
右手は左手に添えるだけくらいの感覚で握ります。
方向性と飛距離を生み出すには、両手の役割りを意識し、バランスをとることが重要になります。
右手のグリップ解説動画
一般的なグリップの握り方
グリップの握り方には、主に3つの方法があります。
自己流グリップは上達を阻害するので、必ず「オーバーラッピング」「インターロッキング」「ベースボール」のどれかで握ってください。
オーバーラッピンググリップ
左手の人さし指と中指の谷間に、右手の小指を乗せたグリップです。
今はこのグリップが主流を占めています。
理由は、一般に左手より右手の方の力が強いため、左手は全部の指で、右手は5本のうち4本の指で握ぎることで、両手のバランスが取れるからです。
インターロッキンググリップ
左手の人さし指に右手の小指を絡ませ、両手をしっかり固定させて握るグリップです。
手の小さい人や力のない人に適したグリップなので、子供や女性はこのグリップが多いようです。
ジュニア時代にゴルフの基礎を学んだ松山英樹プロや石川遼プロは今でもこのグリップです。
ベースボールグリップ
その名のとおり、野球のバットを握るように両手の全部の指で握るグリップで、全く両手が重ならない握り方から、別名テンフィンガーとも呼ばれています。
このグリップは、両手でしっかりと握れ、力がなくてもスイングできる上に、手首のコックが使えるので飛距離を出しやすいともいわれています。
時松隆光プロや後藤未有プロが使っています。
しかし、力は入るかもしれませんが、安定性に欠るので、シニアや女性以外にはお勧めできません。
野球やテニスに慣れている人は、初めてクラブを握った際、「ゴルフとはなんと難しい握り方をするものなのか」と思ったでしょう。
でも、練習をしているうちに、すぐに慣れてきて、気にならなくなります。
ゴルフグリップ3つの握り方
クラブを握る際、どのくらいの角度で握ればいいのでしょうか。
左手甲の向きによって、握り方が変わってきます。
握りの3つの角度
グリップを握る角度には、以下の3つがあります。
スクエアグリップ(ナチュラルグリップ)
スクエアグリップはその名のとおり、両手を正面で真っ直ぐ合わせシャフトの真上から握る(左手甲が目標を向く)ものです。
一般的なアマチュアは、まずこのスクエアグリップを覚えるといいでしょう。
ストレートボールが打ちやすいので、スイングの基礎を学ぶ段階であれば、スクエアグリップが最適です。
フックグリップ(ストロンググリップ)
フックグリップは、左手を少しかぶせて握り(左手甲が少し上を向く)、それに右手を横から合わせたもので、このグリップで普通に打つとフックすると言われています。
手首が返りやすくなるため、力を入れて打て、強い球が出るので、ボールはより遠くに飛んでくれますが、反面、大怪我になるケースもあるので、初心者にはあまりおすすめできません。
ボールを自在にコントロールできる上級者の場合、このグリップが多いと思われます。
スライスグリップ(ウィークグリップ)
スライスグリップは、あまり使っている人がいません。
左手を開いて持つ(左手甲が少し下を向く)握り方なので、プロの中でも特に腕のカが強く左に曲がってしまう場合に、応急処置的にこのグリップにする場合はありますが、滅多に使用する場面はありません。
手のどこで握ればいいのか
ゴルフクラブを握る場所にも種類があります。
握る場所は、手の大きさによって変えるといいでしょう。
手のひらで握る
シャフトを手のひらで握る「パームグリップ」です。
一般的に、手の小さい人は手のひらで握る方がよいと言われています。
指で握る
指で握る「フィンガーグリップ」です。
手の大きい人は指で握るのがおすすめです。
男性ゴルファーは、フィンガーグリップの方がいいでしょう。