ゴルフのOBとは
OBの略と意味
ゴルファーなら一度は耳したことがある「OB」という言葉ですが、どういう意味でしょうか。
ゴルフのルール上、正式には「アウトオブバウンズ(Out of Bounds)」と言い、略して OB と言われています。
「Bounds」とは英語で「区域」という意味で「プレーが禁止されている区域」を指しています。
OB杭
その境界線は白杭(白線)で表示されます。
いわゆる「OB杭」です。
一般的には杭と杭を結ぶ仮想の線がOBラインとなります。
ただし、OBが地面に引かれた線によって表示されているときは、その線自体もOBです。
OBかも!?と思ったときの注意点
「もしかしたらOBへ入ったかも」というときは、ボールの行く先を確認し、ボールが消えた場所の目印を覚えておくことです。
「大きな木の下」とか「バンカーを横切った先の崖の下」など、確実に存在する「物」を覚えるようにしましよう。
結局、OBになる
多くの場合、「ギリギリで残っているだろう」と楽観的に考えますが、行ってみると、嫌な予感が的中・・・
「やっぱりダメかぁ」となることが殆どです。
打ち直しのため、前に打った所まで戻らなければならなくなります。
慌てて走って戻っているので息も上がり、打ち直しのショットもミスになることが多く、そこからスコアが崩れていきます。
こうならないためにも、OBの見極めは重要なのです。
ショットがOBになったかもしれないと疑われ、かつ前進ティを利用しない場合は、他の人が打ち終わった後に暫定球を宣言し、暫定球を打ちましょう。
最初のボールがOBでなければ、最初のボールでプレーを継続します。その場合は暫定球を打たなかったものとします。
暫定球を打っておけば、打ち直しに戻ることがなくなります。
暫定球の宣言
ティーショットが明らかにOBである場合は、他の人が打ち終わった後にもう1球を打ちます。
ティーショット以外の場合は、打った地点のできるだけ近くにボールを ドロップして打ち直します。
しかし、OBかどうかが微妙な場合は、暫定球 (provisional ball) を宣言してから、改めてショットをしましょう。
暫定球を宣言していれば、最初のボールがインプレーの状態で見つかった場合、無罰でプレーが継続できます。
但し、暫定球の宣言をしなければ、最初のボールが見つかっても、暫定球を使わなければいけません。
最初のボールが見つかる可能性が低い場合でも、見つかる可能性はゼロではありませんので、できるだけ暫定球を宣言して、打ち直しておく方が得策なのです。
前進2打などのローカルルール
ゴルフ場によっては、スロー・プレー防止などの理由から、ローカルルールを設定していることがあります。
よく聞く「前進4打」というやつで、OB時に使用する特設ティーから 2打罰でプレーすることを指します。
これは正式なルールではありませんが、ゴルフ場の独自ルールとして定着しています。
OBの数え方
OBの罰
ティーショットでOBを打ってしまった場合、打ち直しのショットは何打目として数えればいいのでしょうか。
特に初心者ゴルファーの場合、よく理解できていないかもしれません。
正解は「1打罰で3打目としてティーショットを打ち直す」です。
まずは最初のティーショットが1打目で、OBが1打罰なので、合計で2打になります。
そして、打ち直しのティーショットが3打目になるのです。
では、セカンド以降のショットでOBになってしまった場合はどうでしょうか。
正解は「1打罰で、打った場所の近くにボールをドロップ(=ボールをヒザの高さから落とすこと)してプレーを続ける」です。
仮に2打目がOBになってしまった場合は、1打罰でドロップしたボールを4打目として打ちます。
つまり、OBが出てしまったら、すべての打数に1打を追加すればいいのです。
OBとワンペナの違い
ウォーターハザードやラテラルウォーターハザード(池ポチャ)は1打罰、いわゆる「ワンペナ」です。
池ポチャはOBではありません。
OBは完全な打ち直しになりますが、ワンペナは、1打足してハザード(池や川)の手前や横から打てるのです。
それだけグリーンに近づけるので、難易度が低下するメリットがあるでしょう。
具体的には、ボールがハザードを最後に横切った地点から、ピンと結んだ後方(距離に制限なし)にドロップすることができます。
後方であればどれだけ下がっても問題ありませんので、自己判断で打つ場所を決められます。
5ヤード後方よりも10ヤード後方の方がライがいい場合があるので、正しく状況判断をしてください。
ボール探しは時間内に
ボールを探すときは、まずはOBより内側にエリアを限定しましょう。
先にOB杭の外を懸命に探す人がいますが、OBとなってしまったものはどうしようもありません。
まずはセーフかどうかを確認する。そこにボールがなければOBと判断するしかありません。
値段の高いニューボールだったのかもしれませんが、OBはOBです。
ゴルフは諦めも肝心です。
OBは自分の責任
OBを打った際、それをキャディの責任にするプレーヤーがいますが、これは言語道断です。
ゴルフはすべてプレーヤーの自己責任です。
距離のジャッジとOB
コースでは、グリーンまでの距離を示す何らかの目印があります。
多くは小さな樹木や杭で表示されていて、グリーンセンターまでの残り距離で、100ヤード、150ヤード、200ヤードの場所に設置さられているのが普通です。
フェアウエーに距離を書いた印が埋め込まれているところもあります。
この距離の目印は、一般的にはグリーン中央までですが、グリーンエッジまでのところもありますので、スタート前にキャディマスター室で確認しておきましょう。
初めてのコースではこれを頼りに残りの距離を判断しますが、キャディがいれば確認してもいいでしょう。
最後は自己判断ですが、キャディへの確認は合法なので、コースをよく知っているキャディが距離を正確に教えてくれた日はスコアがいいことが多い。
そのため、ついつい距離の判断はすべてキャディに任せたくなりますが、何度も言うように最後は自分の判断です。
よく、キャディに「140ヤードあります」と言われて、自分のアイアンの距離から、8番を選択したものの、大きくオーバーしてしまうと、それ以降キヤデイーさんの言うことは信用できなくなります。
しかし、8番アイアンを選択したのは自分です。
グリーンオーバーだけではなく、打ってしまったOBもまた自己責任なのです。
OBの責任は自分にある
ゴルフは「自分自身との戦い」であり、かつ「自然との戦い」のスポーツです。
キャディは、正式に認められた助言者なので頼りにすることは問題ないのですが、その結果責任はすべて自分にあります。
できるだけキャディに頼らず、自分自身で判断する癖をつけましょう。
思うようなプレーができないとき、キャディに当たり散らす人もいますが、これではゴルファーとは言えません。
所詮はアマチュアゴルファーです。自分の腕を棚に上げて、人のせいにするのは品格が疑われます。
もともとゴルフは自分とコースとの勝負なのですから、まず自分の腕を磨いて、自分ですベてジャッジするべきなのです。
自分が納得して決めたことについては、受け入れられますが、中途半端に人に頼るから相手のせいにしたくなるのです。
ゴルフにおいて、決断はプレーヤーが行う。
そして、その全貴任もプレーヤーが負うのです。
OBに負けないメンタルの作り方
OBのプレッシャー
ティーグランドからボールの落とし所を見ると、白い杭が見えます。
気にしないようにしても、どうしても気になります。
気になりながらも打ってみると・・・
「アッ!ヤバい!!」
ボールはOBゾーンの方向に飛んでいきました。
このように、OBはメンタルが大きく影響してきます。
OB杭が見えなければ気にならず、伸び伸びと打っていたはずですが、白い杭が目に入った瞬間から、OBが気になり出すのです。
自己暗示でOBの恐怖を乗り越える
ショットに自信がないときに限り、OB杭が目に入ります。
これでは自信を持って打つことができません。
不安になった時は「OBになったらどうしよう・・・」と起こってもいないことに意識が向いているので、目の前のショットに集中できず、結果も思うように出ないのです。
そんなときは、逆の思考をし、「目の前の一打を楽しもう!」と思えばいいのです。
ジャック・ニクラウスはピンチに陥った時、「おい、ジャック。君はこれまでだって何度も、こんなピンチを切り抜けてきたじゃないか。だから、今度も大丈夫。きっとうまくいくよ。」と自分自身に語りかけたそうです。
ここで「このショットをミスしたら大変だ」とか「ボギーを打ったら優勝を逃してしまう」などと考えていたら、彼は歴史に残るプレーヤーになっていなかったでしょう。
この考えは、ニクラウスのような偉大なプレーヤーだけではなく、どんなレベルのプレーヤーにも有効です。
OBが気になる場面で自分にかける言葉を変えてみるだけでも、結果は大きく変わってくるでしょう。