目次
90切りのマネジメント
一般的なゴルフコースはパー72に設定されています。
つまり、全てのホールがボギーならスコアは72+18=90になります。
短いショートホールやミドルホールなどでパーを1つ拾うことができれば「89」になるので、90が切れるわけです。
決してダブルボギーを打たず、基本的にはボギーを継続する。
そして、1つでも狙ってパーを拾えれば、80台が達成できるのです。
パー4なら、最初からパー5として組み立てる。
飛距離は捨ててでも、とにかく曲げないようにスイングし、ダボに直結するOBだけは避ける。
このマネジメントが徹底できれば、案外簡単に90は切れるのです。
コース攻略は、ボギーオン+2パットを基準に組み立ててみましょう。
90切りには曲げないドライバーが必須
ドライバーでOBを打たない
90切りの絶対条件は「OBを打たない」こと。
そのためには、ドライバーを曲げないことが必須です。
ドライバーのフェースには、インパクト時に最も振動数が少なくなる場所があります。
いわゆる「スイートスポット」です。
スイートスポットでのインパクトは、クラブヘッドが持つ「前へ飛はすエネルギー」を最も効率よくボールに伝えることができるので、軽く振ってもいつも以上に飛んでいくのです。
これこそが「芯を食う」という状態で、インパクトの振動がないのに、気づいたら飛んでいたという、あの快感になるのです。
以前のクラブのスイートスポットは「点」でしたが、最新のクラブは進化しているので「面」になってきています。
それだけ、やさしくなってきていると言えるので、芯を食いやすくなっていることは間違いありません。
芯で打てれば、曲がらず飛距離が出るので、90切りに近づきます。
イメトレで芯に当てる確率を上げる
ゴルファーなら誰でも最高のショットがしたいでしょう。
つまり、プレーヤーはスイートスポットに近い位置でボールをとらえたいと考えて、そのためにスイングを研修し、自分のものにしようと努力します。
いわば練習とは、芯を食う確率を上げるための作業に他なりません。
そのためにはスイング練習と同時に「イメージトレーニング」をすることが大切です。
スイートスポットに当たるイメージをする。
過去に芯を食ったショットをイメージする。
これだけでショットの精度は格段に向上します。
よく言う「芯食い」とは、まさにスイートスポットでとらえた完璧な打感のことを指しています。
イメージトレーニングを続けると、いいときのスイングが蘇ってきて、最高の感触を得ることがあります。
イメトレで自己暗示
しかし、シングルプレイヤーであっても、芯を食う納得のショットを放てるのは、1ラウンド中に一度あるかないかではないでしょうか。
練習場であれば、もう少し確率は上がるかもしれませんが、緊張感があり、力むシチュエーションにあるラウンド中であれば、芯を食うのは非常に難しい。
練習場のように自然にスイングしればいいと思うかもしれませんが、そう簡単ではないのです。
つまり、芯を食うショットは、そうそう出合えるものではないほど貴重な体験なのです。
それだけにイメージトレーニングが重要になるのです。
イメージトレーニングを継続すると「芯を食うショットが出る」と自己暗示にかかるようになります。
そうすると、自然に体が動くようになるのです。
90切りはプロのスイングをイメージする
プロの連続写真を見る
芯に当たり、スイングのパワーがそのままポールに伝わった場合、フェースとボールが衝突した反動は、クラブを通して手に返ってこないため、感触としては「打った感じがしない」ものになるでしょう。
練習を重ねていれば、ビギナーにもその体験が訪れるはずです。
インパクトの感覚がないにも関わらず、ボールが一直線に飛んでいく快感を体験したことがあるのではないでしょうか。
「あれ、今、インパクトしなのか?」という不思議な感覚に襲われるのです。
この感覚、忘れたくないですよね。
あのときのスイングバランスやスイングリズムが、いつでも再現できれば、あの芯を食うショットが打てるのですから。
そんなときにおすすめなのは「プロのスイングをイメージすること」です。
動画でもいいですし、雑誌にある連続写真でもいいでしょう。
プロのスイングをイメージしながら、自分でスイングをしてみましょう。
不思議ですが、なんとなくプロと同じようなスイングになっていきます。
これが最短でゴルフの飛距離をアップさせる方法のひとつです。
芯を食う感覚はなくなっていく
しかし、アベレージゴルファーが、この感覚を保つことはほとんどできないかもしれません。
それは、スイングスピードやタイミング、リズムや力感といったさまざまな要素が偶然シンクロして生まれた奇跡の瞬間と言ってもよく、意識して再現するのは不可能に近いのです。
練習場のマットの上でも無理なのに、ライや状況が変化するコースの中ではなおさらです。
ラウンド中に最高のショットが打てたときは、次のショットも芯を食うのではないかと自分に期待してしまうかもしれませんが、あっという間に奇跡の感触は消えてしまうでしょう。
芯を食うショットの感覚とは、そのくらい儚いものなのです。
そのためにもイメージトレーニングが大切です。
いいときに感覚を無くさないように常にイメトレを継続してください。
特にコースでそれぞれのショットを打つ前に、最高のスイングをイメージして、ナイスショットを打った自分を想像するのです。
それだけで確実にショットの精度は向上します。
90を切る練習
練習頻度を上げていい感覚を継続させる
重要なのは、一度でも経験したその奇跡的な感覚を頼りに、そこへ近づこうとする姿勢です。
練習を繰り返す中で、あの感触を取り戻したいと努力すること。
「あの時の力の入れ方はどうだったか」「スイングリズムはどのくらいだったか」「トップでの間の感覚」などを必死に思い出しながら、いいイメージを思い起こすのです。
これは、芯を食った経験がなければできませんので、味わったことがあるのと、ないのとでは練習に向かう気持ちも違ってくるはずです。
失われた感覚こそが、練習のよき材料にもなるはずです。
上達するほどイメトレを
また、ビギナーのときに感じたう芯食いインパクトの幸福感が、上達するとともに色あせてくることもあるかもしれません。
もともと、この偶然得られる快感というのは、無心にスイングをしている中で訪れるもので、一球一球神経を使い、スイングをチェックし、ボールをコントロールしようとしていればいるほど、遠のいていくという皮肉なものです。
上級者ほどショットのイメージは明確で、弾道やスピン量など打球を操ろうとする意識は強くなるので、なかなか芯で打てなくなります。
むしろ、敢えて芯を外すようなスイングをするようになるので、スイートスポットでのインパクトは味わいにくくなるようにも感じられるからです。
上級者が理想的にインパクトしたショットは、ボールの飛び出し方向はわかりますが、手元に感覚がなく、あまりにも打感が違いすぎるためにボールを見失うことがあります。
いわゆる「飛びすぎる」という状態で、縦の距離感が合わなくなる場合があります。
自分で自分のボールをコントロールできているという感覚は、むしろへッドの芯から少し外れた部分でボールをとらえたときのほうが強く感じるのです。
ボールがフエースのどこに当たったかを感じることができるからでしょう。
これはゴルフという不思議なスポーツが持つ、上級者のパラドックスと言っていいかもしれません。
だからこそ、上級者であってもイメージトレーニングをすべきなのです。
イメージと実際のショットのギャップを感覚的に埋める作業をしていけば調子の波は最小限に抑えることができるのです。
再現性の高いスイングで90を切る
衝撃を感じないインパクトが迎えられたときのスイングは、どこにも無理がない、スムーズで滑らかな動きになっているはずです。
逆に言えば、よどみのない自然なスイングを身につけることこそが、芯食いインパクトに近づく道でもあります。
シングルプレイヤーはいつでも上手い人のフォームを真似してスイングを改良しています。
とはいえ、その人の長所が誰にでも適合するわけではありませんので、じつくりと観察し、自分と波長の合うポイントを取り入れて、それをイメージし続けること。
その過程の中でレベルアップすることが芯食いショットの確率を上げる要諦なのです。