90切りとは
90切りのレベル
一般的なゴルフコースはパー72に設定されています。
つまり、全てのホールがボギーなら、スコアは72+18=90になります。
短いショートホールやミドルホールなどでパーを1つ拾えれば「89」になるので、90が切れるわけです。
決してダブルボギーを打たず、基本的にはボギーを継続する。
そして、1つでも狙ってパーを拾えれば、80台が達成できるのです。
パー4なら、最初からパー5として組み立てる。
飛距離は捨ててでも、とにかく曲げないマネジメントに徹し、ダボに直結するOBだけは絶対に避ける。
この戦略が実現できれば、案外簡単に90は切れるのです。
コース攻略は、ボギーオン+2パットを基準に組み立ててみましょう。
90が切れる期間と割合
全ゴルファーの中で100切りできるのが、約30%なので、90切りはさらに限定されます。
公益社団法人日本パブリックゴルフ協会によれば、80台が出せるゴルファーの割合は16.4%。
また、90切りまでの期間は、ゴルフは始めた時期(年齢)、練習環境、資金などによって違いますが、一般的には早くても3~5年、長ければ20年くらいはかかるかもしれません。
それだけ達成困難なのが、90切りなのです。
90切りのスキル
ドライバーでOBを打たない
90切りの絶対条件は「OBを打たない」こと。
そのためには「曲がらないドライバー」が必須です。
飛距離は200ヤードで十分と割り切ります。
「スイートスポットで捉えなきゃ」と自分にプレッシャーを与える必要もありません。
以前のドライバーのスイートスポットは「点」でしたが、最新クラブは進化しているので「面」になっています。
それだけ、やさしくなっているので「大体フェースの中心あたりで打てればOK」と許容範囲を広げます。
飛距離を求めなければ、曲がらないドライバーが打てるので、90切りに近づきます。
ショートゲームも重要
90を切るためには、アプローチとパッティングからなるショートゲームが重要です。
ショートゲームとは、グリーン周りでのフルスイングをしないプレーの総称で、概ね100ヤード以内でのプレーを指します。
ゴルフではショートゲームの占める割合が約60~70%とされ、特に50ヤード以内からのショットはスコアの半分以上を占めるとも言われています。
90切りを達成するなら、パット数は36以下にしたいところ。
300ヤードのドライバーショットでも、30cmのパットでも同じ1打なのです。
つまり、グリーンに近づくほど、1打の重要性は増します。
アプローチが寄れば、そのあとのパットが断然楽になります。
1.5mのパットが決まれば、断然スコアが縮まります。
カップの横で止まってしまう悔しい1打をなくすには、ショートゲームの技を磨く必要があります。
90を切るショット以外の練習
ゴルファーなら誰でも最高のショットがしたいでしょう。
そのためにはスイング練習と同時に「イメージトレーニング」が大切です。
曲がらない球をイメージをする。
過去のナイスショットをイメージする。
これだけでショットの精度は格段に向上します。
イメージトレーニングを続けると、好調時のスイングが蘇ってきて、最高の感触を得られます。
90切りにはショットやパット以外にイメージトレーニングも重要になるのです。
90切りのセッティング
90切りのクラブセッティングは、以下の14本を基本にします。
3番ウッド
5番ウッド
4番ユーティリティ
5番ユーティリティ
アイアン(6番~ピッチングウェッジ)
52度
56度
60度
パター
90切りのドライバーとアイアン
ドライバーは右へのミスが減る「つかまる」タイプがおすすめ。
力なく右に流されていく、いわゆる「右ペラ」がなくなるだけで安心してティショットが打てます。
ロングアイアンは除き、やさしいユーティリティを多用するだけでもスコアは縮まります。
90切りのウェッジとパター
スコアに直結するショートゲームを重視するので、セッティングでは下を厚くします。
ウェッジを10ヤード刻みでセッティングするとよいでしょう。
例えば、ピッチングウェッジが110ヤードの場合、52度で100ヤード、56度で90ヤード、60度で80ヤードを打ち分けます。
パターは、やさしく打てる「マレット型」がおすすめです。
フェースを開閉する必要がなく、オートマティックに打てるので、パッティングの負担が軽減できます。
苦手クラブは抜く
自分に打てないクラブや使わないクラブはバッグから抜いてしまいましょう。
ユーティリティが苦手なら、7番ウッドや9番ウッドを入れてもいいですし、ミドルアイアンが得意でなければ、ユーティリティを厚くする手もあります。
14本の有効活用が大切です。
90切りのトレーニング
プロの連続写真を見る
イメージトレーニングの材料に最適なのは「プロのスイング」です。
動画でもいいですし、雑誌にある連続写真でもいいでしょう。
プロのスイングをイメージしながら、自分でスイングをしてみましょう。
不思議ですが、なんとなくプロと同じようなスイングになっていきます。
特にスイングリズムを真似ると効果的です。
これが最短でスイングを改善させる方法のひとつです。
90を切るショット練習
練習頻度を上げていい感覚を継続させる
90切りを目指すレベルのゴルファーは、すでに十分なショット力があるので、過去に絶好調だった時期があったはずです。
しかし、残念ながら、ゴルフの好調は持続しません。
そして、不調になった原因を探し、余計に調子を崩す「負のスパイラル」に陥るのです。
そのときに重要なのは、緻密なショット練習ではなく、過去に経験した好調時の感覚に近づこうとするマインドです。
練習を繰り返す中で、あの感触を取り戻したいと試行錯誤すること。
「あの時の力の入れ方はどうだったか」「スイングリズムはどのくらいだったか」「トップでの間の感覚」などを必死に振り返りながら、いいイメージを思い起こすのです。
失われた感覚こそが、練習のよき材料になるはずです。
上達するほどイメトレを
もともと、好調時の感覚は、無心にスイングをしている中で訪れるもので、一球一球神経を使い、スイングをチェックし、ボールをコントロールしようとするほど、遠のいていく皮肉なものです。
だからこそ、イメージトレーニングをすべきなのです。
イメージと実際のショットのギャップを感覚的に埋める作業をすれば調子の波は最小限に抑えられるのです。
90切りの最短ルート
好調時の理想的なスイングは、どこにも無理がない、スムーズで滑らかな動きになっていたはずです。
シングルプレイヤーはいつでも上手い人のフォームを真似してスイングを改良しています。
とはいえ、その人の長所が誰にでも適合するわけではないので、しっかり観察し、自分と波長の合うポイントを取り入れて、それをイメージし続けます。
その過程でのレベルアップが、ショットの確率を上げる要諦なのです。
ショットやショートゲームの練習は欠かせませんが、上級者のスイングやテクニックを観察し、参考になる点を上手に取り入れられれば、90切りの最短ルートになります。