ショートパットが入らない
ショートパットの感覚は本当に微妙です。
日によって、まったく違うと言っても過言ではありません。
傾斜やアンジュレーションもなく、そんなに難しそうに見えないグリーンなのに、どういうわけか夕ッチが合わない日があります。
ほんの1メートルが入らないのです。
どうしてそんなミスをしたのか信じられず、改めてラインを確かめても、自分の判断が間違っていたとは思えない。
そんなホールが続いてしまう日は、本当にどうしていいのかがわからなくなります。
また、カップの上からはかなり速く、触れただけでもカップオーバーは必至で、絶対に入りそうもないホールがあります。
そんなホールで上に乗せたら4パットもあり得るので、絶対に手前につけなくちゃいけないと心に決め、きちんと下に乗せたのに、なぜか打ち損じてしまう。
重いラインなので、強めに打っているのに、完全にショートしてしまう場合もよくあります。
アマチュアゴルファーのパッティング感覚は日替わりで、一定することがないのです。
ショートパットの要素
基本的にパッティングは「距離感」「ラインの読み」「目標に向かって真つすぐに打ち出すストローク」の三要素で成立しています。
これはショートパットでも同じですが、ショートパットの場合、距離感やラインはあまり関係なく、真っ直ぐ打つ技術が重要になります。
しかし、そのどれもが正しくても「入らないときは入らない」のがパッティングなので、こうなるともう「運」がすべてのような気がしてきます。
グリーン面の傾斜や芝目、湿り気など、さまざまなデータを集めたとしても、絶対ではありません。
絶対に入るはずのショートパットでも入らないときは入らないのです。
運のような科学的では解明できないファクターがあるとしか思えないのが、パッティングの神秘なのでしょう。
得意な距離とラインを作る
パッティングには、好きな距離や決められると思えるラインやスピードがあります。
上りのスライスラインが得意で3メートル以内なら自信がある人もいれば、下りのフックラインが好きな人もいます。
ショットがフェードの場合、スライスラインの方がイメージしやすく、ドローの場合はフックが打ちやすいなど、ショットとパットは関連性があるかもしれません。
この得意な感覚が自信となり、実際に打つ前の安心感を生み、安定したストロークをさせてくれるので、高い確率で結果に結びつくのでしょう。
逆に「嫌だな」「入りそうに見えない」「入らない気がする」のような不安が大きければ大きいほど、失敗率も上がります。
先入観が自分の体のどこかを縛ってしまうのは、ショットもパッティングも同じです。
ミスしそうな悪い予感は気にしない、と自分に言い聞かせてはみても、意識した時点で呪縛にあっているのが人間でしょう。
ゴルフがメンタルスポーツで自分との闘いといわれるのも、この点を指しているのだと思います。
ショートパットもイメージが大事
いいイメージを持つことはショートパットでも重要です。
どうしても過去の「入らなかったイメージ」が頭をよぎりますが、それでも絶対に入ると強くイメージしてみてください。
自信を持ってストロークできれば脇が締まり、パターヘッドは真っ直ぐ動きます。
自信がなく、結果を早く見たくてヘッドアップしてしまうとストロークは乱れます。
結果、1メートルのショートパットが入らなくなるのです。
例え短い距離のパットでもルーティーンを守り、入る姿をイメージしてください。
そして、早く結果を見ようとしないと決め、絶対にカップを見ないようにし、頭は動かさない。
カップインは音で確認しましょう。
カップインをイメージすることで自信を持ち、いつも通りのストロークができれば、ショートパットは高確率で入るのです。
ショートパットの打ち方
ショートパットであっても、ライン読みは無視できません。
傾斜と芝目を読みます。
次にスピード感を見極めます。
ショートパットでも、打ったボールのスピードと軌跡をイメージすることが必須です。
加速しながら打つ
ショートパットは、パターヘッドを加速させながら打つことが重要で、ボールを撫でるといい結果になりません。
撫で打ちは減速しながら当てるので転がりが悪くなりますし、思ったところにボールを打ち出せなくなります。
どんな距離のパッティングでもヘッドが加速しながらボールをとらえることが基本です。
ショットもパットも「緩み」は厳禁なのです。
撫でて順回転をかけるのではなく、逆にバックスピンをかけるイメージで、加速しながらダウンブローに打つ方がショートパットは入るのです。
ショートパットはオープンスタンスが合う
ショートパットはラインが読みやすいオープンスタンスで立つと入りやすくなります。
オープンスタンスの方が力まずに打てるメリットもあります。
ショートパットが入らない原因は様々ですが、まずはポイントをひとつずつ、しっかりと検証しましょう。
ショートパットが入らないときは短く持つ
なぜかショートパットが入らない日は、コース内でセルフチェックをします。
普段から自分のパッティングフォームのチェックポイントを理解しておき、ラウンド中に修正できるようにしておくのです。
しかし、それでも入らない場合は、応急措置的な方法で乗り切ります。
打球の速さや距離感がイメージと合わず、修正できない状態になった場合は、パターを思い切って短く握ってみましょう。
グリップではなく、シャフト部分を握ってみるくらいでもいいと思います。
ドライバーより、短いウエッジの方が格段にコントロール性がいいのはなぜでしょうか。
クラブは短いほど制御しやすいからです。
これはパッティングでも同様です。
極端に短く持ってパッティングすることで、微妙なストロークの乱れを打ち消してくれるのです。
短く持つなんて格好悪いと思わないで、一度試してみてください。
ボールと目の距離が近くなることで、安定したストロークができる副次的な効果も期待できます。
入るパッティングのコツ
パッティングの成否は「ライン読みの優劣」と「ミスのない一定した打ち方」の2点が重要です。
アンジュレーションや芝目の読みは、経験から身につけるしかないので、ある程度のラウンドが必要になります。
習得までに、一定の時間が必要になるでしょう。
ショートパットの練習
しかし、安定したストロークは室内のパター練習で習得が可能です。
夕ーゲットに向かって正しく真っすぐに打てるよう練習を積めば、ミスのない打ち方は克服できるでしょう。
この技術が身につけば、1メートル~2メートルくらいの、いやらしい距離もパットの苦手意識が払拭されるはずです。
距離感の習得
あとは「パッティングの距離感」ですが、これには主に2つの方法があります。
ひとつは、ボールを打つ力加減の強弱で距離を調節する方法。
これは青木功プロのような鋭い感覚を持ったゴルファーに適した打ち方です。
もうひとつは、テークバックの大きさで制御する方法です。
一般的にはテークバックとフォローの大きさを同じにする打ち方にするとストロークは安定します。
また、感覚のズレも少なく、オートマティックなパッティングができるはずです。
最後は自分の感覚と好みなので、あらゆる方法を試してみてください。
とにかくパットは練習が大切です。
練習グリーンを使って、5メートル、10メートル、15メートルと距離の違うカップに向かって練習を繰り返し、感覚をつかんでいく以外に効果的な方法は思い当たりません。
スイング作りと同様、反復練習がすべてであって、近道はないと思ってください。
インパクトをイメージにする
歩測が5歩だった場合でも、上りのラィンと下りのラインでは打つイメージは異なります。
上りは、ややゆっくりのテンポでストロークし、下りの場合は、少し早いテンポでインパクトをする。
同じ5歩の距離でも、インパクトのイメージを変えると距離感が出るようになることがあります。
オーガスタのように、ボールに触っただけでどこまで転がり落ちるかわからない、猛スピードで大きく曲がるラィンは、プロでも恐怖を感じるでしょう。
あまりの怖さから反射的に強く打ってしまい、あっという間にグリーンオーバーしてしまうシーンを見かけることがあります。
そんな恐怖を感じるときこそ、インパクトのイメージを持つことです。
いいテンポをイメージして、理想のストロークができて、見事カップインしたときは、それこそシビレるような快感があります。
これもゴルフの悪魔的な魅力のひとつなのです。
ドライバーショットの250ヤードも1打ですが、カップの縁に止まってしまったパットも1打です。
故に「パット イズ マネー」なのです。
スコアをよくするにはパットの改善が欠かせません。
特にショートパットを確実に決められるようなストロークとメンタルを手に入れてください。