ゴルフのシングルとは
よく「シングルなんですか!すごいですね!!」との会話を聞きますが、このシングルとはどのような意味なのでしょうか。
端的にいえば「滅茶苦茶ゴルフが上手な人」を指します。
アマチュアゴルファー最初の目標は「100切り」ですが、これを達成できる人は約30%程度といわれています。
つまり、99で回れれば、ゴルファーの上位3割に該当する、それなりの腕前を持ったゴルファーになるわけです。
ところが、シングルはさらに上。
ゴルフは一般的にパー72に設定されていますが、いわゆるシングルは、平均で81以下のスコアで回る人です。
つまり、72-81=9で、パーからプラス1桁(9オーバーまで)で回ってくること。
パープレーに、1桁(9以下)打数の追加との意味で、シングルといわれるのです。
18ホール中、9ホールでパー、9ホールでボギーで、やっと81が出ます。
これはかなり大変です。
やはりシングルは、相当な上級者といえるでしょう。
ちなみにシングルは和製言葉で、 英語では low handicapper(低いハンディキャップを持つ人)と呼ばれています。
平均スコア | ハンデ | シングル |
82 | 10 | ☓ |
81 | 9 | ○ |
80 | 8 | |
79 | 7 | |
78 | 6 | |
77 | 5 | |
76 | 4 | |
75 | 3 | |
74 | 2 | |
73 | 1 | |
72 | 0 |
ハンディキャップとは
公式とプライベートの2種類がある
シングルを認定する場合に必要になるのがハンデキャップです。
これはゴルフを面白くするために、上手い人にはハンデを付け、参加者の公平を期す制度です。
一般的には正式に認定された公式ハンデと、仲間内で決めたプライベートハンデの2種類がありますが、シングルの認定には前者の公式ハンデを用いることが多いでしょう。
公式ハンディキャップも2種類ある
公式ハンディキャップにも2つの種類あります。
クラブ独自のハンディキャップ
各ゴルフコースが独自ルールで決めたハンディキャップです。
そのコースのメンバーになり、スコアカードを提出すると、ハンデキャップ委員会がハンデキャップを認定してくれます。
それがクラブハウスに掲示されます。
認定方式はクラブごとに違い、一度認定されたハンデは下がらないのがほとんどです。
JGAハンディキャップ
2013年で廃止された旧方式を受け継ぎ、2014年から運用されている新たなハンディキャップで、公式競技にも用いられています。
シングルプレーヤーの割合
シングルは全ゴルファーのわずか0.3%弱
シングルといってもプライベートハンデを使っている場合もあるので、正確な数を調べるため、JGA男子ハンディキャップ所持者から割合を計算してみます。
JGA男子ハンディキャップハンデ所持者は2015年時点で15万人で、全ゴルファーの1.9%程度にとどまっていますが、そのうちシングルは14.4%です。
つまりJGA男子ハンディキャップシングル保有者は、全ゴルファーの1.9%x14.4%=0.3%弱になります。
競技ゴルファーの中のシングルの割合
健康のためにゴルフを楽しむようなアマチュアゴルファー全体、つまりゴルフ総人口の中でカウントするとシングルは0.3%でしたが、競技ゴルフに打ち込む本格的ゴルファーだけを対象にした場合はどうでしょうか。
公益社団法人 日本パブリックゴルフ協会によれば、スコア70台で回る人は全体の1.9%、80台で回る人が16.4%なので、ゴルフコースに出る人の4〜5%程度がシングルプレイヤーの割合だと推測されます。
つまり、本格的ゴルファーでも約20人に1人しかシングルになれません。
やはり、かなり狭き門であるとわかるでしょう。
シングル取得までの年数
子供の頃からゴルフをやっていた人、大学のゴルフ部出身の人、社会人になってから始めた人など、ゴルフ歴は様々です。
キャリアによってシングルになるまでの年数は当然異なるので、一概に何年とはいえませんが、70台で回る人の61%が、ゴルフ歴21年以上となっています。
80台でも21年以上が63.7%です。
ゴルフは経験が物をいうスポーツなので、シングルになるには、ある程度のキャリアの長さが必要になりそうです。
ちなみに、プロになるためには3000ラウンドが必要になるといわれています。
週2回ラウンドしても30年を要する計算になります。
やはり、幼少期から始めなければ話にならないようです。
シングルになる方法
年間50~100ラウンドがマスト
ゴルフを趣味にしていても5%程度しかシングルプレーヤーになれません。
相当な高い壁に間違いはなく、週末はラウンド(できれば土日両方、悪くてもどちらか)。
平日も1~3回は練習場に行く。
毎日寝る前にパターマットでパットの練習。
このくらいの意気込みでゴルフに打ち込まないと、シングルにはなれないと思います。
両手シングルと片手シングル
シングルにも2つの種類があります。
ハンデ9~6までの「両手シングル」と、5~0までの「片手シングル」です。
一般的にやっかみも込めて「両手シングルは仕事をしていない人」といわれますが、片手シングルは「仕事もせず、家庭も省みない人」を呼ばれています。
それだけゴルフに没頭して、初めてシングルになれるわけです。
仕事よりもゴルフ、家庭よりもゴルフ。
人生をゴルフに賭けて、やっとシングルになれるのです。
いつでもパーが拾える技術が必須
具体的にいえば、いつでもパーが取れるくらいの技量があって、初めてシングルになれるのです。
例えばパーオンして2パットが普通にできること。
仮にパーオンできなくても、アプローチで寄せ、1パット(いわゆる寄せワン) が当たり前にでき、ピンチをピンチにしないテクニックと落ち着きが必須になります。
ダブルボギーやトリプルボギーは絶対に打てないので、OBはもちろん、チョロやシャンク、大スライスなどは厳禁です。
ここまでくると、感覚的にはプロに近いかもしれません。
仲間とバカ騒ぎしながらの月1ゴルフは楽しいですが、シングルの本気のゴルフは1打もミスができない緊張感があるので、正直楽しいというよりは、辛く面白みのないゴルフになるかもしれません。
シングルになる条件とその認定
厳密なシングルになるには、JGA(日本ゴルフ協会)が正式に認めた日本で唯一の公式ハンデを取得しなければなりません。
それには以下3つの条件をクリアする必要があります。
・JGA認定コースでプレーをすること
・最新のスコアカード5枚をJGAに提出すること(2年以内に5枚)
上記を条件に、JGAにより適切なハンデが計算されます。
具体的には、標準難易度のコースにおけるプレーヤーの潜在技量を小数第1位までの数値で表示します。