ゴルフは疲れる
「ゴルフはおじさんのスポーツ」だと思われがちです。
ダッシュをしたり、人と激しくコンタクトするわけではないので、フィジカル面での負荷は少なく、誰でもできる楽なスポーツと軽視されています。
しかし、実は長時間屋外でプレーするので、思っているより疲れが溜まりやすく、十分なケアが欠かせません。
また、ゴルフ場は見た目以上にアップダウンがあり、普段使わない筋肉を知らず識らずに使っているのです。
そのため、走るわけでもないのに、ラウンド後はぐったりし、翌日は筋肉痛になることもあるでしょう。
準備やケアがないままにゴルフをやると疲れが残るだけではなく、ケガの原因にもなります。
ゴルフを甘く見てはいけないのです。
なぜゴルフは疲れるのか
ゴルフは全身運動で負荷がかかる
ゴルフは軽い棒を振り回すだけのスポーツだと思われがちですが、実は全身運動で、筋肉や関節に相当な負担がかかっています。
まず構えたときに、下半身を中心に相当な力が加わっているでしょう。
また、腹筋や背筋といった体幹(インナーマッスル)にも負荷がかかっているはずです。
その静止状態から、瞬発的に筋肉を使いスイングをするので、首、肩、背中、腰、膝などに一気に負荷がかかります。
「静」から「動」へ、一瞬で変化するため、意外と筋肉を使うのです。
1万歩も歩いている
最近はコース内へのカート乗り入れが許可されるゴルフ場が増えてきましたが、一方でまだ完全徒歩のコースも残っています。
一般的に18ホールのラウンドでは約10km歩くといわれています。
完全徒歩のコースなら、もっと歩数は多くなるでしょう。
リモートワークに慣れ、なまった体には相当な負荷になるのです。
紫外線も疲れの原因
紫外線も疲れの原因のひとつになっています。
ゴルフは屋外スポーツなので、少なからず紫外線の影響を受けてしまいます。
特に5月~10月くらいまでは、紫外線に加え、暑さとの戦いでもあるので、帽子を活用して紫外線と熱中症対策をしましょう。
また、目にも紫外線のダメージを与えるので、サングラスの着用も忘れずに。
さらに、紫外線は自律神経の乱れにもつながるといわれているので、呼吸を整えたり、体温を下げたりする対策も必須になります。
気象条件
ゴルフをプレーする際には、気象条件も疲労蓄積の大きな要素になります。
真夏に40度にもなる炎天下でのゴルフ。
一方、真冬の極寒の中のゴルフ。
考えるだけでも疲れそうです。
また、気温に加え、風や雨などの気象条件も疲れを増加させる原因になります。
暑い日や寒い日、風の強い日や豪雨の日などは、確実に疲れが増します。
緊張が疲労を生む
ゴルフはメンタルスポーツなので、実はかなり緊張します。
絶対に曲げたくないティショットのときは心臓がバクバクして脈拍が上げるでしょう。
また、外せない2メートルのパットは全身が硬直してしまいます。
これは筋肉だけではなく、心臓やその他の内蔵にも相当な負荷となります。
よいスコアを出したいと意気込んでいたり、接待ゴルフでの気を使いながらのラウンドは、普段以上に体に力が入り、全身の疲れにつながりやすくなります。
楽な気持ちでリラックスしながらのラウンドを心がければ疲労度は違ってきます。
ゴルフの疲労対策
前日の睡眠
翌朝が早いにも関わらず、深酒をし睡眠時間を削ってしまえば体調がいいはずありません。
また、久しぶりのゴルフが楽しみで、なかなか寝付けないかもしれません。
最高のコンディションでゴルフを楽しむためには、いつもより早く就寝し、最低6時間の睡眠を確保しましょう。
朝食を摂る
起床後、なにも食べずにラウンドすると、エネルギーが不足し、体も脳も疲労します。
早めに到着し、ゴルフ場で朝食を摂ってもいいですし、車中でコンビニのおにぎりや栄養補助食品を食べてもいいでしょう。
空腹のままスタートしないよう、必ずエネルギー補給をしておきます。
正しいスイングを身につける
理に適わない我流のスイングは、無駄な筋肉を使うだけで疲労の元になります。
それどころかケガの原因にもなるでしょう。
間違ったスイングで力いっぱいクラブを振っても、飛距離は出ず、ボールは曲がるだけ。
林に入ったボールを探すため、斜面を登り、無理な体勢でショットをすれば、疲れないはずがありません。
ゴルフで疲れないためには、正しいフォーム身につけること。
理に適ったフォームで打てば、筋肉や関節への負荷が減り、無駄なく飛ばせます。
当然、疲れも溜まりにくくなるのです。
自分に合った靴を選ぶ
意外に軽視されているのが、ゴルフシューズです。
自分に合わないシューズを履くと、足の指先や甲を痛めることがあります。
また、踵や足首にも負担を強いてしまい、気づかないうちに疲労を溜め込みます。
プロが愛用しているツアーモデルであれば、ふくらはぎやもも裏への負荷も軽減できるので、シューズにはこだわってみましょう。
紫外線対策
男性でも日焼け止めは必須です。
冬でも晴れた日は日焼けするので、日焼け対策は怠らないようにしましょう。
紫外線を通しづらい素材でできているゴルフウェアの着用も有効な対策になります。
紫外線による目の疲労防止には、ゴルフ用の専用サングラスがおすすめです。
プロモデルなら、プレーにも集中できるのでスコアアップにもつながります。
ストレッチ
ラウンド前のストレッチにより疲労が残りにくくなります。
首、肩関節、肘、腰、もも裏(ハムストリング)、ふくらはぎ、アキレス腱などを十分にほぐしておきます。
これにより、リラックス効果も得られるので、スコアにも好影響があるでしょう。
こまめに休憩を取る
疲れを感じた場合は、無理をせず休憩を取ることも大切です。
ゴルフは、体力だけでなく精神力も必要なスポーツです。
疲れを感じた場合は、リフレッシュで集中力を取り戻し、プレーの質を高めます。
水分補給
真夏はもちろん、冬場のゴルフでも実はかなり発汗しているため、脱水状態になっています。
喉が渇いていなくても、無理に少し水分を摂るくらいの方が体のバランスは維持できます。
スポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。
夏場の炎天下ゴルフは、凍らせたペットボトル飲料を大量に持ち込みましょう。
水分補給だけでなく、氷嚢として活用できます。
疲労回復に効果的な食事
ラウンド後は体が蓄えていたエネルギーがなくなっている状態なので、疲労回復に適した食事を摂りましょう。
運動で使った筋肉も再生のためにエネルギーが必要です。
食事により、翌日の疲れ方がまったく違ってきます。
即効性のある食べ物
ゴルフ場に持っていくのであれば、カフェイン、糖分で素早く体を覚醒させ、一時的な体力回復と運動フォーマンス向上が期待できるリポビタンDやレッドブルなどのエナジードリンク系がおすすめです。
最近ではゼリータイプも売られているので、プレー中でも摂取しやすいでしょう。
チョコレートも糖分補給には適していますが、脂分が多く吸収までに時間がかかるデメリットがあります。
疲れが残りにくい食べ物
ラウンド後、クラブハウスで軽い食事をするのであれば、油の多いものを避け、消化のよい軽食を摂りましょう。
疲労状態で胃腸に負担をかけてしまうと、さらなる疲れにつながる可能性があります。
飲み物はフルーツジュースや筋肉の修復に効果のある牛乳や豆乳がいいでしょう。
くれぐれもアルコールの過剰摂取は厳禁です。
帰宅後の夕食
筋肉を修復するために、アミノ酸やクエン酸の積極的な摂取がおすすめです。
具体的には肉や魚などから得られるタンパク質が生み出すアミノ酸は筋肉の回復に欠かせない要素です。
柑橘類・酢・梅干しなどに含まれるクエン酸には疲労軽減効果があります。
ただし、必要な栄養量を食品だけで摂取するのは難しいので、サプリメントの併用もおすすめです。
余分なカロリーは排除し、必要な栄養素だけを手軽に摂取できるので、翌日に疲れを持ち越しません。
入浴で疲労回復
ゴルフ場の広い湯船で足を伸ばすと疲労が回復していきそうな感じがします。
しかし、長時間、湯船に浸かるのは疲労回復の観点でむしろ逆効果です。
長風呂は体内の水分が汗として大量に排出されてしまうため、脱水症状の原因になります。
また、高温の湯に肩まで浸かるような入り方は心臓にも負担をかけてしまいます。
特に冬場のラウンド後のお風呂は、心臓によくないので、徐々に熱さに慣れていくような入浴方法にしてください。
40度程度のあまり熱くない温度で、お湯に浸かる時間は長くても15分程度にした方がリフレッシュできます。
入浴時間の半分は半身浴にすると、心臓への負荷も少なく、リラックス効果が得られるでしょう。
ゴルフは疲れるスポーツ
ゴルフは疲れるスポーツですが、適切なケアやプレースタイルを取り入れることで、より快適にラウンドできるようになり、翌日の疲れを予防できます。
プレー中に疲れを感じた場合は、自分の体調に合わせた対策を行います。
残念ながら、ゴルフのプレー中に亡くなる人は毎年一定数いるのです。
特に真夏や真冬は心臓に負担がかかり、命に直結する事故が起こりやすくなります。
ともかく、楽しむゴルフを大前提にプレーしましょう。