OUTとINとは
ゴルフ場を予約する際、スタートホールが選択できるようになっています。
「アウト(OUT)コーススタート」と「イン(IN)コーススタート」です。
ゴルフ場は、1番ホールから9番ホールまでを「アウト」と呼び、10番ホールから18番ホールまでを「イン」と呼びます。
「1番」「10番」と呼べばいいのに、なぜわざわざ「アウト」「イン」に言い換えるのでしょうか。
そこには意味と歴史があるのです。
OUTとINの意味
OUTとINと言われていますが、正式には以下の略なのです。
・「IN」=Coming IN
この語源は、聖地セントアンドリュースにありました。
セントアンドリュースはクラブハウスを出てすぐに位置している1番ホールからスタートし、最も遠くにある9番ホールまでプレーします。
そこで折り返し、10番ホールから18番ホールにかけてクラブハウスに戻ってくるように設計されています。
つまり、前半の1番~9番はクラブハウスから出ていくので「Going OUT」。
後半の10番~18番はクラブハウスに向かって戻ってくるので「Coming IN」というわけです。
ここから前半9ホールをOUT、後半9ホールをINと呼ぶようになりました。
コースに入っていくからIN、出てくるからOUTと思いがちですが、実は逆なのです。
基準はあくまで「クラブハウス」なのです。
OUTとINの語源は、ゴルフの聖地セントアンドリュースにあったわけです。
日本のゴルフ場事情
日本のゴルフ場はどちらもOUT・IN
ゴルフ大国アメリカやゴルフ発祥の地イギリスの歴史ある名門ゴルフ場は、文字通りOUTとINのつくりをしています。
しかし、日本では少し事情が違います。
日本の場合は、9番と18番が終わった段階でクラブハウスに戻ってくるよう設計されています。
つまり、どちらもOUTであり、どちらもINなのです。
日本のゴルフは接待優先
一般的に世界の名門ゴルフ場は昼食を挟まないスループレーを基本にしています。
しかし、日本のゴルフ場では、昼食代を取ることで経営を成り立たせている側面があるため、スループレーは認めないことが多いのです。
また、元々がビジネスの商談や接待の場として発展してきた経緯があるため、プレーヤー側にも昼食のニーズはあったのです。
さらに、全組を1番からスタートさせる「ワンウェイ」よりも、OUTとINの2方向に分けてスタートさせた方が、よく多くの組数が稼働できるので、ゴルフ場の経営面からもうま味があったのです。
このような事情から、日本のゴルフ場は、OUTスタートとINスタートに分かれるようになりました。
OUTスタートが人気
OUTとINどちらから
ここでおさらいします。
OUTスタートなのに、10番ホールに行ってはいけません。
INスタートなのに、1番ホールで待っていても仲間はやって来ません。
・IN:10番~18番
ゴルフ場に到着してから、「あれ、OUTって1番だっけ?10番だっけ??」と迷わないよう、OUTとINの由来を覚えておきましょう。
INスタートでも問題ない
OUTとINの経緯を知っているゴルファーは「1番ホールからスタートしたい」と考えるようで、どのゴルフ場でもOUTスタートから埋まる傾向にあるようです。
しかし、日本のゴルフ場の場合、スループレーではなく、ハーフターンで昼食を摂ることが多いので、OUTスタートでもINスタートでもあまり変わりません。
スタートホールを気にすることなく、ゴルフ場を予約しましょう。