アベレージゴルファーに必要なクラブの条件
飛距離を伸ばすには
飛距離を求めるアベレージゴルファーは多いと思います。
ヘッドスピードが平均的な、いわゆる「アベレージゴルファー」が理想的な弾道を得るために必要なクラブ選びのポイントはなんでしょうか。
アベレージゴルファーは、ヘッドスピードが速いゴルファーに比べてインパクト時の衝突エネルギーが小さいので、なるべくエネルギーロスは避けたいところです。
飛びの3要素
ここで確認しておきたいのは、ベストな弾道を得るために必要な3要素です。
これが「打ち出し角」「ボール初速」「バックスピン量」ですが、この3要素のうち、アベレージゴルファーがー番重視したいのが「打ち出し角」です。
アベレージゴルファーのようにインパクト時の衝突エネルギーが小さい場合、特別なヘッドを使わない限り、スピン量は変化させられません。
バックスピンもサイドスピンも増減しないのです。
ボール初速も大切ですが、これを追及するとスイングや筋力を含め、根本的な見直しが必要になります。
しかし、打ち出し角を適正にするのはそれほど難しくありません。
打ち出し角を理想に近づけるのは、最も即効性があり、簡単に安定した飛距離を得る近道になるのです。
つまり、アベレージゴルファーにとって最適なのは「高い打ち出し角」が得られるクラブセッティングなのです。
高い打ち出し角が得られるクラブセッティングが手に入れば、飛距離は劇的に改善され、スコアも縮まるでしょう。

打ち出し角15度を目指す
アベレージゴルファーとは、ドライバーのヘッドスピードが35から40くらいの方を指します。
アベレージゴルファーの理想的なドライバーの打ち出し角は「15度前後」と言われています。
打ち出し角をこの数値に近づけることが理想的な弾道の目安になります。
打ち出し角を決めるのは「ヘッドの入射角」「ロフト」「重心位置」です。
ヘッドの入射角は、ゴルファー毎にダウンブローやアッパーブローの特性があるため、まずは自分のスイングタイプを把握します。
そこを踏まえた上で打ち出し角が15度前後になる重心位置とロフトを持つヘッドを探せばよいのです。
この打ち出し角15度は、数値計測して体感してみると思ったより高く上がっているように感じるはずです。
ライナー性で前に飛んでいくボールの方が飛んでいるように感じますが、高い打ち出しで滞空時間の長い、キャリーとランのバランスがいい弾道が最も平均飛距離を稼げます。
そのために必要なのが、打ち出し角15度なのです。
低重心のヘッドを選ぶ
アベレージゴルファーが飛ばせるヘッドは、ボールを自然と上げてくれる低重心の特性であるのは間違いありません。
とはいえ、最近のヘッドで重心が高いドライバーはまずありません。
すべてのヘッドが低重心なので、市販されているどのヘッドを選んでも問題ないと思います。
では「浅重心」と「深重心」ではどちらが合うのでしょうか。
これはゴルファーのヘッドの入射角によって変化します。
例えばダウンブローが強いゴルファーの場合は、深い重心の方が適正な打ち出し角にしやすく、アッパーブロー気味のゴルファーなら浅い重心のヘッドの方が理想弾道が打ちやすくなります。
必ず自分のスイングのクセや動きを踏まえた上でヘッドを選ばないと、自分のポテンシャルをフルに生かした理想的な弾道は打てないのです。
また、正式なレギュレーションに違反しますが、反発係数の大きい「高反発ドライバー」を使えば、驚くほど飛距離を伸ばせます。

ロフトでの調整はNG
理想的な打ち出し角が15度なら、最初から15度のロフトのドライバーを選べばよいと思われたかもしれません。
確かに打ち出し角を15度に近づけるだけならそれでもよいでしょう。
しかし、それではスピン量が適正値から大きく外れてしまい、安定した飛距離が得られないケースも出てきます。
ロフトとは、打ち出し角の他にスピン量にも影響します。
ロフトを増やせばスピンは増加していき、逆に減らせばスピンは減少していく性質を持っています。
もともとスピン量が多く、打ち出し角が高いゴルファーがロフトを減らした場合なら、打ち出し角が適正となり、多かったスピン量が減少し飛距離アップにつながります。
しかし、打ち出し角が低くてスピン量が多いゴルファーの場合、ロフトを増やし打ち出し角を適正にしても、スピン量がさらに増えてしまい、飛距離をロスしてしまうのです。
ロフトは、適正な打ち出し角を得るために吟味する必要はありますが、まずは基本性能で打ち出し角やスピン量が適正になりやすいヘッドを選び、最後にロフトで微調整する考え方がよいのです。
流行りの弾道調整機能でロフトや重心を自分で変更できるのはとても便利ですが、もともとの基本設計がスイングに合っていなければ、いくら調整しても飛びません。
可変機能あくまで微調整なのです。
弾道調整機能を過信しすぎてはいけません。

アベレージゴルファーにおすすめのクラブセッティング
ドライバー
10〜12度のロフト角が最適です。
シャフトの硬さは、スイングスピードに応じて選びましょう。
フェアウェイウッド(FW)
3番ウッドと5番ウッドを選び、15度から19度のロフト角がよいでしょう。
3番ウッドは200〜220ヤード、5番ウッドは180〜200ヤード程度を狙えるようにします。
フェアウェイウッドが苦手な場合は、ユーティリティーに代用させてもいいでしょう。
ユーティリティー(UT)
3番、4番、5番を選び、ロフト角は19度から22度程度がよいでしょう。
ラフにも対応でき、ロングアイアンよりはやさしいので、苦手な距離に対応できます。
アイアン
5番からPWまでを選び、ロフト角は26度から46度程度がよいでしょう。
ロングアイアンに自信がない場合は、ユーティリティーに入れ替えます。
ウェッジ
ユーティリティーやアイアンを減らし、ウェッジを多く入れるセッティングもあります。
ロフト角は48度から60度程度を埋めます。
グリーン周りのアプローチやバンカーショットはスコアに直結するので、ウェッジのセッティングは最重要です。
ただし、個人のスイングスタイルやコースの状況によって、異なるクラブセッティングが必要になる場合もあります。
自分に合ったクラブを選ぶようにしましょう。