飛距離アップにはヘッドスピードを上げる
ヘッドスピードを上げる方法
「遠くへ飛ばしたい」との願望は、すべてのゴルファーに共通しているでしょう。
飛距離が出れば次のショットが楽になるので、当然スコアにも直結します。
飛距離は最大のアドバンテージなのです。
そのため、力一杯のフルスイングをしてしまいがちです。
いわゆる「マン振り」です。
しかし、これが大間違いなのです。
全力スイングは、むしろ飛距離をロスします。
特にアマチュアゴルファーのフルスイングは単なる「力み」になることが多いので、ミスショットを誘発してしまう可能性が高いのです。
つまり、飛距離と力は無関係なのです。
では、飛距離に影響する要素はなんでしょうか?
飛距離に最も強く関係してくるのは「ヘッドスピード」です。
言い換えれば「クラブヘッドのインパクトの瞬間の速度」です。
ヘッドスピードは、ボールが打ち出される初速に影響を与えるのです。
ヘッドスピードを測定してみる
クラブヘッドのスピードである「ヘッドスピード」と「ボールの速度」との関係は、運動量保存の法則とボールの反発係数から計算されます。
簡単に言うと、ヘッドスピードが2倍になるとボールの初速も2倍になります。
つまり、飛ばしたければ力むのではなく、ヘッドスピードの向上に注力すべきなのです。
飛距離を伸ばすポイントが力でないと知っておく必要があるでしょう。
力むと筋肉の動きを阻害するので、ヘッドスピードは落ちてしまいます。
飛ばそうと力を入れるのは、逆に自ら飛ばないようにスイングしていると同義で、正反対な結果を招きます。
今は簡単にヘッドスピードを測定できます。
測定器を購入し、ヘッドスピードがアップするスイングを追求してみるのもいいでしょう。
おすすめのヘッドスピード測定器
平均的なヘッドスピードは40m/s~45m/s
自分のヘッドスピードを知らないアマチュアゴルファーも多いはずです。
プロは45~50m/sくらいで、飛ばし屋では55m/sくらいになると思われます。
一方、男性アマチュアのヘッドスピードは若い人で45m/s程度、40代以降は徐々に落ちていくので、全体を平均すると40m/s前後だと言われています。
40歳以下 | 44m/s |
41歳~50歳 | 42m/s |
51歳~60歳 | 41m/s |
61歳~70歳 | 39m/s |
71歳~80歳 | 37m/s |
81歳以上 | 36m/s |
ヘッドスピードから飛距離を計算する
飛距離は、ヘッドスピードに5.5を掛けた数値がひとつの目安なので、男性アマチュアの平均飛距離は、およそ220ヤードになります。
男性アマチュアのヘッドスピードに近いと言われる女子プロゴルファーですが、ドライバーの平均ヘッドスピードは38~40m/sとやや遅めです。
しかし、彼女たちはドライバーで230~240ヤードを軽く飛ばしています。
ここにプロとアマの違い、即ち「スイングの質の違い」があるのです。
効率よくヘッドスピードをアップ
シャフトでヘッドを上げる
ヘッドスピードを速くするには、腕に力を入れ、目一杯速く振るのではなく、単純にクラブヘッドを速く振るのがポイント。
言わば、女子プロのような「効率のよいスイング」です。
では、ヘッドを速く動かし、効率よくスイングするためには、どうすればいいのでしょうか。
最も重要なのが「シャフト」です。
自分のヘッドスピードとスイングに合ったシャフトを選択しなければ、飛距離は落ちてしまいます。
さらに、クラブを振る時の力の入れ方や筋肉の使い方、さらに振り方を考えます。
この「飛ばすための感覚」がわかってきて、それにシャフトがマッチしてくると安定した飛距離が得られるようになります。
ヘッドスピードを上げるための訓練
まず、左腕だけをしっかり意識し、真っ直ぐに伸ばして構えます。
このとき、グリップは左手の小指、薬指、中指の3本で軽く握り、親指と人差し指は軽く添えるだけにします。
決して強く握らなでください。
グラグラくらいのイメージです。
5本の指全体で握ってしまうと、腕に力が入ってしまい、ヘッドスピードを最大化できなくなるので、あくまで3本の指で軽く握るようにします。
その状態で右手を添えますが、右手はさらに軽く握ります。
スイングした際、クラブが抜けない程度にやさしく握ってください。
そして、肩の周辺などを中心に、上半身全体はできるだけリラックスさせます。
筋肉が張らないよう、脱力する感覚です。
そして、腕とゴルフクラブの接点であるグリップを支点にして、振り子のように振ります。
かつての賞金王である伊澤利光プロの動画が参考になると思います。
ヘッドスピードアップのコツ
ヘッドスピードを上げるスイング
効率的なスイングのためには、腕の動きは左腕リードで、脇をしっかり締めながら振り下ろします。
インパクトの直前(体の正面にグリップがきたとき)に腕の動きは止めるような気持ちで(実際には動きます)、右肩を前に出さず、後方(右)に残すようにし、グリップを支点にクラブヘッドだけを先行させます。
動きたがる腕を止めるために、右肩の動きをセーブするのです。
そして、腕も止めるような意識を持つ。
それで、クラブヘッドだけが先行するようになります。
つまり、腕の振りとシャフトの振りとで二重に振り子ができるのです。
これが「ヘッドが走る」状態なのです。
これはヘッドスピードを速くするスイングメカニズムのひとつです。
とにかく、腕の振りの「速い・遅い」でなく、あくまでクラブヘッドの速度が距離に関係することを意識しながらスイングをしてみてください。