グリーン上でラインを読む
スコアの半分はパット
ゴルフのスコアの半分はパッティングが占めます。
各ホール2パットが前提で18ホールなので、1ラウンドで36パットが基本になります。
せっかくパーオンしても、3パットではスコアがまとまりません。
悪くても36パット、できれば36パットを下回って、スコア削減につなげます。
そのために不可欠なのが、パッティングの「ライン読み」です。
正しいストロークができても、ラインが合っていなければカップインはしないのです。
グリーンに上がる前から読みは始まる
ライン読みは、グリーンに上がる前から始まります。
グリーン周辺には、地形や起伏など、いろいろな情報が集約されています。
特に大切なのは、グリーンの一番低い場所を確認すること。
これでボールの曲がる方向がおおよそ把握できます。
また、池の位置、周辺の木の生え方、雲の流れなども見ておくと、グリーン読みの参考になります。
左右の傾斜(スライス・フック)
できる限り目線を低くして傾斜と芝目を読み、スライスとフックを判断します。
ボール側からカップを見るだけの一方通行ではなく、反対にカップ側からもボールを見ます。
また、ボールとカップの中間地点に立ち、微妙なアンジュレーションを確認します。
できるだけ多くの地点から情報を得れば、カップインする可能性が高くなります。
当然、同伴競技者のストロークも観察し、自分のライン読みの参考にします。
芝目も読む
グリーン上での芝目の読みでは、自分の目や感覚が大きな役割を果たします。
ボールからカップに向かっての微妙な芝目を見て「どう曲がるか」「曲がり具合は」「転がりの速さはどれぐらいか」などを判断します。
この判断にこそ、ゴルフの醍醐味が凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。
順目
グリーンが白く見えれば順目です。
太陽の光が葉に反射しているので白く明るく見えます。
順目は速いので、少し軽めに打ちます。
逆目
濃い緑色に見えれば逆目です。
光を吸収しているので濃く見えます。
逆目は重いので、少し強めに打ちます。
エイムポイント
プロのトーナメントのテレビ中継で奇妙なポーズを見かけるようになりました。
パッティングの際、両足を肩幅ぐらいに広げ、腕をカップの方に伸ばして顔の前で指を立てます。
指は1本のときもあれば、2本のときもあり、片目をつぶって指越しにカップを眺めます。
一体なにをしているのかと思いますが、これがプロが取り入れているライン読み「エイムポイント」なのです。
具体的には、カップに正対して左右の足にかかる重力を5段階で判断します。
平坦なら0で、傾斜が強いと5になります。
そして、ボールの後ろに立ち、判断した傾斜分の指を立てます。
傾斜が3と判断した場合は、指を3本立てるという具合です。
最後に、カップから立てた指の本数分をずらした位置にボールを打ち出すのです。
つまり、感じた傾斜をオートマティックに曲がりに置き換える技術なのです。
エイムポイントのようなシンプルなテクニックが身につけば、ライン読みは楽になるかもしれません。
パットは自分の目からの情報が重要
グリーン上は目と記憶の勝負
ゴルフでは「自分の目」が重要な役割を果たします。
グリーン上ではボールの転がりを自分の目によって判断しなければいけません。
グリーン上での判断は、自分の目から入る視覚情報を頭にインプットし、それを過去の経験と照らし合わせながら頭脳をフル回転し、ラインを導き出すのです。
最初に自分の目から入るインプットを間違ってしまえば、自ずと出す結論も間違うでしょう。
それだけ自分の目からの情報は重要なのです。
視線と構え
パターのストロークにおいても視線は重要です。
具体的に言えば、打ち出した球を自分の目で追いかけてはいけないのです。
目線を上げてしまいボールを見に行くと、体が起き上がったり右肩が出たりして、ラインに対して正確にスクエアヒットができなくなるので、視線はあくまで元々あった球の位置に固定するのです。
ボールの行方が気になると、軸がブレて狙ったラインに乗せられなくなるので、目でボールを追わないことです。
パターはカップ1個分の範囲でしかミスが許容されないシビアな作業です。
しっかりと目線を安定させ、狙った場所に打ち出します。
メガネの有無や視力や乱視などでもパッティングには影響が出ます。
また、左右の目の見え方が違うと、高低差も違って見えます。
タィガー・ウッズはレーシック手術を受け「カップがバケツのように大きく見えた」と表現しています。
やはり「どう見えるか」によって、プレーに影響が出るのです。
グリーンの読みは経験
自分の目からの情報だけでなく、それを使った正しい判断ができることもカップインの絶対条件です。
まずは自分のパターの振り幅と距離の関係など、基礎デー夕の蓄積が必要になります。
例えば、カップまで5mなら約30cm分の振り幅など、基準となる距離感を養っておくことが前提になります。
そして、傾斜や芝の長さ、天候や風など、いろいろな条件と照らし合わせ、最終決断をするのです。
この総合力は、練習や多くのラウンドによって蓄積されるものなので、コツコツ積み上げるしかありません。
そしてピンまでの距離を自分の目で正確に測り、それに合わせて距離感を頭の中でイメージするのです。
ゴルフが経験のスポーツと呼ばれる所以です。